競歩・鈴木は途中棄権 苦渋の決断に涙

 「陸上世界選手権・男子20キロ競歩」(23日、北京)

 男子20キロ競歩は世界記録保持者で金メダルが期待された鈴木雄介(27)=富士通=が、股関節の痛みに耐えきれず、11キロ付近で途中棄権した。来年のリオ五輪を見据えての決断だったが、悔し涙を流した。藤沢勇(ALSOK)は13位、高橋英輝(富士通)は47位で、日本勢は3大会連続の8位入賞はならなかった。ミゲルアンヘル・ロペス(スペイン)が初優勝した。

 金メダルへの挑戦はあっけなくついえた。男子20キロ競歩の鈴木は股関節の痛みが限界に達した11キロ付近で自らの腕でバツ印をつくり、コースを外れた。「ふがいないし悔しい。来年が本番だし、やめた方がいいと思った」。リオデジャネイロ五輪を見据えた苦渋の決断に涙がこぼれた。

 痛みが出たのは5月ごろ。その後は状態の悪化を避けるため、スピードを上げる練習では2、3キロの距離を複数回歩くなどの内容にとどめていた。これではレースで力を発揮するには限界があり「練習ではもたせることができていたが、20キロを1キロ4分ペースだといけなかった」と漏らした。

 3月に世界記録を樹立し、一躍注目を集めた。殺到した取材依頼に「競歩をアピールできる機会」と丁寧に応じた。その分、体をケアする時間が削られ、柔軟性を欠いたことが故障につながった。「痛みに振り回されたシーズン」と悔やんだ。

 来年の五輪での金メダル獲得に向け、まずは故障の回復を最優先に出直す構えだ。美しい歩型が自慢の日本のエースは「(故障を)治さないと自分の思ったようには歩けない。痛みが出ないような動きで体を整えていく」と再起を期した。

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