独走カープそれでも強敵は金本阪神

 セ・パ交流戦明け最初のカードだった先週末の2位・阪神との3連戦。ゲーム差「3」で迎えた首位攻防戦だったが、24日の降雨中止を挟んでカープの連勝という形で終わった。中止になった試合も形勢は圧倒的有利だったし、実質的には3連勝だったと言っても過言ではない。「これでもか」というくらい、カープのいい面だけが目立った。

 心配していた23日の初戦先発のジョンソンも、私が思っていた以上の復調気配を見せてくれた。速球のスピードが戻っていたし、チェンジアップ、カットボールの“生命線”と言える変化球も使えるレベルにまで達していた。初回先頭の高山に初球を一、二塁間に弾き返されたが、これを二塁・菊池が好守でアウトにしたのもリズムをつかむきっかけになった。嫌な内野安打が複数あったが、イライラする面も見せず、冷静に対処していたのも好感が持てた。交流戦最後の楽天戦(10日・マツダ)で5失点KOされた時とは明らかに違っていた。

 そのジョンソンを救った菊池は攻守に存在感を見せつけた。初戦は満塁弾を含む4安打の固め打ち。一発もそうだが、右方向への巧打が特に光った。また25日は岩貞から試合を決定付ける超特大弾。GW中に甲子園であった3連戦では菊池不在で3連敗を喫したことを思えば、彼の存在感の大きさがうかがえる。

 不安視されていた足の具合も問題なさそうだし、今後さらに期待が持てる。ただ、首脳陣はうまく休ませながら起用することが求められるだろう。

 攻撃、守備の両面で金本阪神を圧倒し、ゲーム差を今季最大の「5」に広げた。貯金も最多の「18」となり、完全に独走態勢に入った。今後も今のような戦い方をしていけば、致命的な連敗はまずしないと思う。

 阪神に代わってカープを脅かすようなチームも現状は見当たらない。交流戦での13連敗が響く巨人は、菅野、田口、マイコラスに加えて山口俊が加入し、反撃態勢が整ってきた感じだが、勝率が5割に戻ってやっとカープを意識できる。

 そんな巨人を含めて他球団を見た時、やはり今後の敵となるのは金本阪神。今は少し差が開いたが、堅実な投手力を背景に再び迫ってくることが考えられる。心して戦わないといけない相手であることには違いない。

 前に触れた菊池不在時の甲子園3連戦。5月6日の8回戦で9点のリードをひっくり返され、歴史的な敗戦の屈辱を味わった。そしてカード3連戦3連敗を食らって首位から転げ落ちた。今のカープにはそれが「教訓」となっているように感じる。今年の阪神には決して最後まで手を抜いてはいけない-。

 今回は圧倒できたが、次はまたやり返される可能性もある。次の阪神戦は来月中旬の甲子園。5月にやられた敵地で同様の戦い方ができれば、早々にリーグ連覇のゴールが見えてくるかもしれない。

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