徳島・小林 悲願へ「本塁打王獲りたい」

 【徳島・小林義弘内野手】

 徳島は県南の海部郡海陽町「まぜのおか」で行われた1週間のキャンプを、14日に打ち上げる。

 豪雨でグラウンドが使えなかった9日は持久走を。10日には浅川湾の砂浜でダッシュを行うなど、下半身トレに余念がない。

 先頭に立って走っていたのは、今季主将に選ばれた小林義弘だった。まだ21歳の若きチームリーダーである。若返りした徳島で3シーズン目となるキャリアは、球団最古参に当たる。

 「正直、やりづらい部分もあります。でも、選ばれたからにはやるしかないですし、言いたくないことでも言わなきゃいけないですし。そういうタイプになっていかないといけないので」

 主将就任の話を初めて聞いたのは昨年11月、台湾遠征の直前だった。中島輝士監督から「まだ決まったわけじゃないけど、オレはそういうふうに考えているから」と言われた。

 「年下の自分が。まさか……」と思ったが、キャリアとチーム内での立場を考えれば適任だろう。その後、こうも言われている。

 「キャプテンとして選んだんじゃない。キャプテンの器になっていってほしい」

 自分だけのことを考えていれば良かった昨年までとは異なり、周りのことも気に掛けなければならない。ましてや今季は外国人選手が多く、言葉の壁もある。そこをふまえた上で、もう一回り大きな人間になってほしいという期待の表れだ。

 昨年、打率を追い求め、リーグ4位に食い込んだ。だが、ドラフト候補となる調査書は届いていない。アピールすべきは長打力であることを痛感している。早くもシーズン終了と同時に打撃スタイルを変えた。

 ドラフト上位指名を狙うなら「本塁打20本以上」が1つの目安と言われる。

 「ホームラン王を獲りたい。20本打てなかったらNPBには行けないですし、それができるか、できないか。それだけのことはやってきたつもりです」

 自信と不安が交差し続けている。どんな気持ちでシーズン終了の瞬間を迎えるのか。願うのは、NPBと日本一を手に笑ってシーズンを終える。そんな7カ月先の自分を目標にしている。

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