金本虎 超猛追!九回1点差も及ばず

 「阪神7-8広島」(10日、甲子園球場)

 猛追及ばず-。最終回の反撃もあと一歩届かず、阪神が今季初のカード負け越しで首位を明け渡した。ただ、七回攻撃前の円陣でゲキを飛ばした金本知憲監督(48)の言葉に応えた打線は、今季最多の15安打で7得点と粘りを見せた。明日に必ずつながる敗戦。超変革の戦いは、まだ始まったばかりだ。

 期待を乗せた声援は、ため息に変わる。九回、懸命の追い上げもあと1点が及ばない。今季初の甲子園3連戦で初のカード負け越し。首位陥落。悔やまれる結果にも、何も残らない敗戦、ではない。金本監督は力強く前を向いた。

 「まだ初の負け越し。6球団で一番遅いんじゃない?カード負け越しは。そういうふうに捉えていかないと」

 最後まで8失点が響いた黒星。それでも、前向きに捉えられる理由はある。泥にまみれ、諦めずに戦った選手。気持ちは見えた。変わろうという姿勢は伝わってきた。劣勢の七回、4点差を追うベンチ前の円陣。自らゲキを飛ばしていた。

 「『このままズルズルいったら、何も変わっていかないよ』ということはね、言いましたけどね。七回に1点欲しかったけどね」

 前日は、わずか2安打の結果に加えて打席での工夫や集中力、執念が見られず「今は伝わるものがないような気がする。僕には伝わってきていない」と怒りをにじませていた。同じ1敗でも中身は違う。九回、先頭の江越がヘッドスライディングを見せての内野安打から3点を返した。

 「(江越の執念も)もちろん当たり前と言えば当たり前だけど。もちろん褒めてやれることですけどね。そういう執念を出していくというのが、変わっていこうという第一歩だからね」

 13年9月15日のヤクルト戦以来となる、日本人選手だけの「純国産打線」で挑んだ一戦。ゴメスとヘイグという中軸を欠いても、結果的には全て単打による今季最多の15安打。敗れた中にも、次につながるものは見えた。

 「(昨日は伝わるものがないと言っていたが今日は)まあ、初スタメンの選手も2人いたし、当然と言えば当然だし。それでしれっとやるようじゃ、終わってるよ。チームは」

 負けても良かった、ということはない。「(若手に経験がなくても)覚悟の上でこっちは使ってるわけですから」。結果の責任は自分が取る。初めて、2日続けて黒星を背負った2試合。その重さを受け止め、感じ取れた変化の兆しを手応えにして前に進んでいく。

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