広島期待の星 佐藤啓介は1軍でポジションを奪えるか プロ初アーチから22打席で3発の男~横山竜士評
広島・佐藤啓介内野手(25)は生き残ることができるのか。打力を買われて6月から1軍に定着し、8月下旬に待望の初アーチを放つと一気にお目覚め。先発で出場する機会も増えてきた。チームにとっても本にとっても大事なシーズン最終盤。デイリースポーツ評論家の横山竜士氏は「このチャンスを逃さず自分のポジションを確立してほしい」とエールを送った。
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8日の阪神戦が雨で中止になったが、残り23試合はチームの順位を争うと同時に選手個々の真価が問われる大事なゲームになってくる。実績のない若い選手はなおさらだから、先発出場が増えてきた佐藤啓介にとっても自己アピールの大きなチャンスだと思う。
今年が3年目だが、入団1年目のころの彼の印象は、バット操作が巧みで、体勢を崩されてもヒットゾーンへ運ぶ粘りを感じた。
2軍とはいえ、初めて対戦する投手ばかりなのに、投手の左右に関係なく器用に対応していた。実際に打率も出塁率もよく、打撃に関してはファームで一番と思えるほど非凡なもがあった。当然のように育成期間も短かった。
昨年は少し伸び悩んでいたのかな。ファームレベルでもいろいろと対応されるからね。内野手としての守備に課題もあったように思う。だが、今年は2度の2軍落ちを経験しながら這い上がってきた。「1軍で使える」と判断されての再昇格だったはず。
現在の彼を見て思うのは、長打力がついたということ。8月下旬に初本塁打を放ってからすでに3本。使われ続けたことで、ようやく首脳陣の期待に応えられるようになってきた。
(8月25日のDeNA戦。6点を追って迎えた五回、代打起用に応えてプロ初本塁打を記録すると、チームはそこから1イニング8得点の猛攻で一気に逆転した。その後は9月2日の中日戦、同5日の巨人戦で本塁打を放っている)
課題は守備だろう。いまは本人が目指す二塁ではなく、一塁での出番が多い。二塁手として試合に出るだけの力量には達していないということなのだろう。
ただ、一塁は本来中軸打者が守る場所。そういう意味では、よほど打たない限り奪えないポジションでもある。
でもチャレンジしてほしいね。昨年もこの時季に若手が優先的に使ってもらっていたが、完全にレギュラーポジションをつかんだ選手はいない。中村奨成は今年、2軍が長かったし、佐々木は内外野の掛け持ち。そこは物足りないところではある。
来年は首脳陣に“啓介でスタートしてみるか”と思わせるだけインパクトを残せばいい。打つことが期待されている選手なのだから、残された出場機会で存分に打撃力をアピールしてほしいね。
