広島 代走・辰見が痛恨三盗失敗も新井監督責めず「次回も恐れずに」 5連敗で16年ぶり屈辱8月に借金「18」
「DeNA3-0広島」(9日、横浜スタジアム)
広島が今季2度目の5連敗で、同ワーストを更新する借金「18」となった。攻撃陣は相手投手陣の前に完封負け。1点を追う八回の代走・辰見鴻之介内野手(25)の三盗失敗も痛かったが、新井貴浩監督(49)は積極性と勇気を前向きに捉えた。8月中に借金が18まで膨らむのは2010年以来16年ぶりという厳しい状況だが、前進姿勢を失ってはいけない。
三塁審判は力強くアウトをコールした。これでもかと沸き上がる相手ファン、三塁ベース上でがっくりと肩を落とした辰見。「行けるイメージだったのでスタートは切ったけど、結果はアウトなので。しっかり振り返って反省したい」。結果的に痛恨となってしまった三盗失敗で、同点への機運は急速にしぼんだ。5連敗で借金18。最後まで得点を奪うことはできず、今季11度目の完封負けとなった。
1点を追う八回は秋山と菊池の連打で1死一、二塁の好機を演出。打席には3番・ファビアンを迎えていたところで二走の代走・辰見は三塁にスタートを切った。捕手・松尾からのストライク送球もあり、タッチアウト。勝負どころでも積極果敢に攻めたが今季自身5度目の盗塁死となった。
ここまでリーグ3位の19盗塁をマークしている、代走の切り札の盗塁失敗。新井監督は「結果はアウトだけど、ああいうところで思い切ってスタートを切っているわけだから」と責めることはなかった。
打線全体を見ると、初対戦となった新人左腕・片山に6回無失点に封じ込められた。好機がなかったわけではない。二回は1死満塁まで攻め立てたが、石原と投手・鈴木が三振で無得点。六回2死三塁ではモンテロが二ゴロに倒れて、最後まで捉えきることはできなかった。
これでチームは6月9日~11日・西武戦(ベルーナ)以来の同一カード3連敗を喫し、今季2度目の5連敗。順位は最下位のままで、5位・中日とは2差、CS圏の3位・DeNAとは6差に広がった。自力優勝の可能性はすでに消滅している中、首位とも今季最大の14・5差になった。
8月に借金18を背負うのは、最終的に借金26の5位でシーズンを終えた2010年以来16年ぶり。酷暑の夏、ここからリーグ戦はヤマ場に差しかかっていく。新井監督は辰見に対して、「また次回も恐れずにどんどんスタートを切ってもらいたい。そこで生きていく選手だから」と強く背中を押した。失敗を恐れず、チャレンジしていく姿勢は、どの選手にも重要なところ。チームとして積極性を失うことなく、現状打開への糸口を探る。
◆16年ぶり屈辱 広島の借金18は今季最多。8月中にこの数字に達したのは、10年8月31日の借金22(46勝68敗2分け)以来16年ぶりだ。なお首位とのゲーム差も今季ワーストの14.5。プロ野球史上最大の逆転Vは63年西鉄(現西武)の14.5差で、広島が今季ここから優勝すればこれに並ぶ。
◇広島・新井打撃コーチ(初対戦の片山を攻略できず。二回1死満塁で石原が直球を2球見送り、チェンジアップで空振り三振)「初見の投手だから(変化球の)曲がりが分からない。直球を狙わない根拠がない。そこを後押しできていない僕の指導力不足です」
◇広島・赤松外野守備走塁コーチ(三盗失敗の辰見について)「まずはよくトライしたと評価してあげたい。結果はアウトだったので反省するところはある。でも僕は高いレベルでやってほしい。そういう能力を持っていると思う。今日は残念な結果になりましたけど、次はセーフになれるように後押ししていきたいです」
