広島・名原 支配下2日で1軍鮮烈デビュー プロ初出場初先発初安打→初タイムリー三塁打「必死」「必死」「あまり覚えてないです」
「中日6-2広島」(22日、バンテリンドーム)
広島の名原典彦外野手(25)が、プロ初出場初スタメンで、プロ初安打、初打点を含む2安打1打点と躍動した。「8番・右翼」で出場。五回1死一塁で中前打を放って記念打とすると、七回2死一塁では右中間を破る三塁打でプロ初適時打を決めた。育成選手として迎えた4年目の今季。前日21日に支配下登録されたばかりの若鯉が、プロとしての大きな一歩を踏み出した。
力強く拳を握り、雄叫びを上げた。七回2死一塁。名原が、右中間を破る適時三塁打を放った。敗れはしたものの、追い上げムードを高めるプロ初打点。感情が爆発した。
「もう、とにかくもう必死に。気合と根性で、どうにかっていう感じでした。必死にやっていたので、あまり覚えてないです」
額の汗を拭いながら「必死」という言葉を連呼。誰よりも気持ちを前面に押し出した、プロ初出場初スタメンだった。
「8番・右翼」でグラウンドに立った。プロ初打席の三回は三ゴロに倒れたものの、続く打席で記念打を放つ。五回1死一塁。柳の外角カーブを逆らわずにはじき返し、中前へ運んだ。
2打席目で記録した待望のプロ初安打。一塁塁上ではガッツポーズした。「打てて良かった」。前日21日に支配下登録を勝ち取った。22年度育成ドラフト1位は、育成で入団した同期の中村貴、辻の中では最も遅い支配下登録だった。
新井監督から「もう、気合と根性だ」と背中を押され、「僕はもうそっちの方が合っている」と腹をくくった。バンテリンドームに立つのはこの日が初めて。指揮官の言葉を胸にグラウンドに立ち、最高の結果を残してみせた。
俊足が武器。昨季は足のケガにも泣き、満足のいくプレーができなかった時期がある。
「正直もうちょっともうダメかなって思ったりした。これでクビになっても後悔がないぐらい、やってやろうっていう気持ちでシーズンに入った」。背水の覚悟で臨んだ一年だった。
父・誠さん、母・香織さんに恩返しの一打でもあった。電話で支配下登録の報告をすると、「泣いて喜んでくれました」。父から打撃の助言を授けてくれたこともあり、生かしてきた。「一番、見てくれているので、的確なアドバイスをもらって、支えてもらっていました」。感謝の言葉を並べた。
複数安打を放ったものの、右翼の守備では、記録に残らないミスがあった。次戦への課題とし、前を向いた。「気合と根性」は、若鯉の生きざまそのものだ。プロとしての第一歩を刻んだ一日。前だけを見据えてグラウンドを全力で駆け抜ける。
◇名原 典彦(なばら・のりひこ)2000年6月24日生まれ、広島県出身。25歳。182センチ、82キロ。右投げ右打ち。瀬戸内3年時に春の甲子園に出場も1回戦敗退。青森大を経て22年度育成ドラフト1位で広島入り。
