広島・新井監督 サバイバル宣告!秋季キャンプメンバー「絞る」 例年40人→30人厳選「チャンス無限にあるわけではない」
広島の新井貴浩監督(48)が15日、みやざきフェニックス・リーグに参戦中の若手選手を視察するため、開催地の宮崎県日南市に向かった。監督就任3年目にして、同リーグを現地視察するのは初めて。今秋と来春のキャンプメンバー絞り込みの判断材料にする他、映像では分からない選手の姿勢や表情にまで目を注ぐ。
息をつく暇もなく、新井監督はマツダスタジアムを後にした。この日の午前中は同球場で行われていた1軍の秋季練習に姿を見せ、そのまま日南へと移動。ハードスケジュールで16日からはフェニックス・リーグを4試合視察する。主な目的はキャンプメンバーを選抜するため、若鯉の力を見極めることにある。
広島でも映像では宮崎で汗を流す選手たちをチェックしていたが、「実際に自分の目で見ないと動きだったり、表情だったり、姿勢とか。そういうものは映像では見えないから」と力説する。試合ではベンチに入らず、バックネット裏から熱視線を送る。
昨年も視察を予定していたが、天候不順の影響でかなわず、今回が監督就任後初めてのフェニックス視察となる。教えるのではなく、見ることに主眼を置く。「もしかしたらちょっと気付いたことがあれば、試合後に話しかけたりすることもあるけど、基本は見るだけ」と方向性を示した。
11月には秋季キャンプも行われる。昨年は計38選手が参加するなど、毎年40人前後がメンバー入りしていたが、「この秋はそれは見直そうと思っている。連れて行くメンバーも今までよりグッと絞る」と指揮官。今秋は約30人にまでメンバーを絞り込み、「量と質」を求めた練習で鍛え上げていく想定だ。
その狙いとは-。「今まではたくさん連れて行って、たくさん練習して、たくさん見たいなと思っていた」という心境に変化があった。練習する場所も時間も無限ではない。「時間は限られているから。大所帯で行くと分散されてしまう。それと同時にチャンスも無限にあるわけではない」と心を鬼にして、若手を厳しく見極める。
今季終了時に選手たちに発信したのは「もう来シーズンの競争は始まっている」というメッセージ。捕手に再挑戦する二俣、打撃改革中の田村など、秋は大胆な試みも行いやすいが、アピール必至の若手たちには内容とそれなりの結果が求められている。
新井監督は「今度ドラフトもあるし、新しい選手も入ってくるわけだから」と付け加えた。サバイバルは現在進行中だ。指揮官の登場で秋めく日南の空気はさらに引き締まる。





