広島・佐々木 プロ初4番堂々マルチ!新井監督「成長しているなとは感じる」 球団新人4人目「しっかり恩返しできるよう」

 「DeNA7-2広島」(21日、横浜スタジアム)

 未来のカープ打線を担う男が躍動した。広島・佐々木泰内野手(22)がプロ入り初の4番で先発出場してマルチ安打。これで12戦連続安打となった。球団新人が4番でスタメン出場するのは4人目。チームは5連敗で5年ぶりのDeNA戦負け越しが決まり、5位に転落。厳しい戦いの中、若き大砲が希望を届けていく。

 雨粒を切り裂くような勢いで、白球が右翼の芝生で弾む。どんな状況でも集中力を研ぎ澄まし、鋭い眼光で目の前の勝負に身を投じた。佐々木が“ルーキー4番”でマルチ安打。秋口の戦いで、来季につながる光を届けた。「あまり打順は気にせずに今、意識していることを継続してやった。そこは良かったかなと思います」と振り返った。

 ハイライトは八回だ。1死で宮城の直球をシャープに振り抜き右前へ。四回2死では遊撃への内野安打で出塁しており、連続試合安打を12に伸ばした。球団の新人選手が4番で先発出場するのは1950年・樋笠一夫、1992年・町田公二郎、昨年の仲田に次いで、4人目になった。

 新人ながら打線の中心に座るのは、高い期待があるからこそ。新井監督は「今日の打順を考えた時に4番目に入ったということ」と語った一方で「でも、いいヒットもあったし、少しずつだけど、成長しているなとは感じるね」と確かな上昇カーブを描く姿に目尻を下げた。

 打撃面では「シンプルにボールをつぶすイメージと、上からボールを見るイメージ」が現状の取り組み。それに加え、自らに言い聞かせていることがある。「しっかり振っていく中でのヒットだったらいいけど、ちょこんと当てに行くバッティングはしないように心がけています」。

 ここまで48試合の出場で本塁打はなし。「ホームランを狙おうとしたら(打撃が)崩れるだけ。後から付いてくるものだと思っているし、今は基礎的な部分を徹底してやっています」と足元を見つめる。ただ、美しい放物線には憧れを抱き続けている。「最終的には毎打席、長打を期待できる。そうなっていきたい」。スラッガーとしてのプライドをのぞかせつつ、着実に前進していく。

 この日は2度の中断がありながら、左翼席のファンは声をからして背中を押し続けてくれた。「声援をいただけていることに感謝の気持ちはたくさんあります。来シーズンに向けて、しっかり恩返しができるように頑張っていきたい気持ちが強い」と佐々木。未来の大砲に、消化試合はない。さらなる高みを見据え、力強い足取りで1年目のシーズンを駆け抜ける。

 ◆新人選手の4番先発出場は球団4人目 ドラフト1位ルーキーの佐々木が「4番・三塁」で先発出場。新人選手が入団1年目に4番で先発出場したのは、樋笠一夫(1950年7月26日・中日戦)、町田公二郎(1992年7月28日・ヤクルト戦)、仲田侑仁(2024年10月5日・ヤクルト戦)の3人。佐々木は球団4人目の「ルーキー4番打者」となる。

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