広島・高 無傷の堂々2勝目 宮崎に被弾も20球の名勝負 新井監督も絶賛「たいしたもんだな」 広陵時代は控え投手

 「DeNA2-5広島」(21日、横浜スタジアム)

 高みへまた一歩階段を上った。広島の先発・高太一投手(24)が7回3安打2失点で無傷の2勝目を挙げた。Aクラス入りを争う3位・DeNAとの直接対決で、その差を3に縮める快投。相手4番・宮崎とは20球にわたる勝負を繰り広げるなど見せ場もつくり、チームを昨年5月以来となる横浜スタジアムでのカード勝ち越しへ導いた。

 ホームランを打たれて高は評価を高めた。それだけ見る者を引き込ませる名勝負だった。5-0の七回1死一塁。左腕は宮崎に対して20球を投じた末に左翼ポール際へ2ランを浴びた。手痛い被弾だが、新井監督は「あれだけゾーンに投げられるわけだから自信にしていいと思う。たいしたもんだなと思った」と絶賛。指揮官の心も揺さぶってみせた。

 逃げなかった。宮崎には9球目を投げた時点でフルカウントとなったが、ここから10球連続でストライクゾーンに投げて相手も全てファウルで応戦。「点差的に四球を出すよりも打たれた方がいいと思っていた」。最後は直球を投げて被弾し、「『打ってくれ!』と思って投げたら最悪の結果になりました」と苦笑いを浮かべたが、堂々たる勝負だった。

 この日は四回まで完全投球を披露し、五回には華麗なギアチェンジも見せた。先頭・宮崎のライナーを右翼手・中村奨がグラブに当てながらも捕球できずに二塁打とされ、得点圏に走者を背負うと150キロに迫る直球を連発。山本を遊ゴロ、ビシエドを空振り三振、最後は林を左飛に仕留めた。「バッターの近いところで勝負していくのが(自分の)スタイル」。果敢な内角攻めも光る強気なマウンドさばきだった。

 さらに「全力で抑える」と息巻いていた母校・広陵の先輩でもある佐野も二飛、中飛、一ゴロに封じて有言実行。七回にはサイ・ヤング賞投手バウアーから中前打を放ち、プロ初安打も記録した。ヒーローインタビューでは「まさか打てるとは思ってなかったけど、狙い澄ましていました」と真顔で言って、左翼スタンドの鯉党を笑わせた。

 もともと広陵時代は控え投手。当時は河野(広島)、石原(ヤクルト)の陰に隠れる存在だった。昨秋のフェニックスリーグで3人が再会した際も記念撮影を「いや、僕なんかが…」と固辞し、謙遜しまくっていた。

 そんな左腕が今や3人の中で唯一プロで白星を挙げている。「これから先の試合も一つ一つ勝って上を目指していく」と高。謙虚さと強気な姿勢を併せ持つ背番号22のサクセスストーリーはまだ始まったばかりだ。

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