広島・中村奨成 プロ初4安打!「ご褒美ぐらいの感覚で。明日からも一日一本打てるように」 秋山、大盛ら押しのけスタメン
「広島2-7ヤクルト」(17日、マツダスタジアム)
広島の中村奨成外野手(26)が高卒8年目にして、プロ初となる1試合4安打をマークした。右肩のケガから1軍に復帰してからは11試合中10試合でスタメン起用され、光るものを残し続けている。チームは最下位・ヤクルトに大敗でカード負け越し。3位・DeNAと4ゲーム差に広がって厳しい状況が続くが、成長著しい若武者はレギュラーをつかんでチームに貢献していく。
大量リードを許す厳しい展開でも、この男が打席に立つと刹那的に球場には期待感が充満する。お盆休み最終日にスタンドを埋めた鯉党の歓声を背に中村奨が魅せた。プロ初の4安打。また一つ成長の証しを刻み、「いい取り組みをしている中で、(4安打は)一種のご褒美ぐらいの感覚でいる。明日からも一日一本打てるようにしたい」と気を引き締めた。
切り込み隊長としての強い自負がある。「1番・中堅」でスタメン出場すると、初回は相手先発・奥川の初球の真っすぐを打った。「(初球を)打ちにいくのは決めていた」。母校・広陵の先輩でもある土生スコアラーと念入りな打ち合わせを行い、初球攻撃を決断。右腕の足元を抜けていく中前打を放ち、末包の併殺打の間に先制の生還を果たした。
その後も三回無死は右前へ運び、五回無死も三塁線を破る二塁打を放って、小園の適時打で生還。チームの全2得点に絡んだ。七回1死はライナー性の左前打を記録し、瞬く間に背番号96のバットは打ち出の小づちと化した。
これで8日・中日戦(バンテリン)から7試合連続安打となり、2021年5~6月にかけてマークした自己最長に並んだ。ただ、本人に満足感はなく、「(安打が)7試合続いていますけど、あとの3打席が悪い内容とか、ヒットにならない打席もあるので、そこら辺がまだまだだなと感じています」と謙虚な姿勢を堅持。「一日一本打つのに必死」とがむしゃらさを際立たせる。
7月に負った右肩鎖関節損傷から1軍に復帰してからは11試合中10試合でスタメン起用されている。秋山、大盛らを押しのけて出場を続ける。中堅守備では初回2死一、二塁からオスナの安打を捕球すると、本塁へノーバウンド返球。二走・長岡を三塁で足止めし、外野守備でも成長の一端を披露した。
残すは36試合。中村奨は「外野手はいっぱいいるので、その中でまずは今年、最後まで出続けられたらいいかなと思います」と前を見た。安定性を増す打撃と、成長し続ける外野守備を前面に押し出し、鯉のリードオフマンへと登りつめる。





