「オリックス６－１広島」（４日、京セラドーム大阪）

　広島が小さな“ミス”から大量失点。戦意喪失？のワンサイドゲームとなり連勝を逃した。デイリースポーツ評論家の岡義朗氏は内外野の「声の連携の甘さ」と名手・菊池への依存度の高さを指摘した。

　（ミスが出たのは四回裏。無死満塁からオリックス・紅林がライト線への浅い飛球を打ち上げ、右翼・末包と二塁・菊池が勢いよく追いかけた。ところが、捕球寸前で両者譲り合う形となり、打球はフェアゾーンに落ちてオリックスに先制の２点が入った）

　紅林にライト線へ落とされたシーン。結果的にすべてがそこへ集約されるような試合になってしまったね。

　あの打球に対しては、末包も菊池も捕球できると判断して追いかけていたはずだ。なのにお互いがお見合いするような形でヒットになったのは、恐らく声の連携が甘かったのが原因だろう。

　結論から言うと、あそこは後ろを守る末包が捕るべきだった。あの高さにまで打球が上がり、なおかつ両者が捕れる範囲にある場合は、捕球態勢とその後の送球を考えれば外野手優先がセオリーだ。

　菊池も捕るつもりで落下地点へ向かっていたが、末包の気配を感じた瞬間に衝突の危険を察知して打球から目を離している。ボールが落ちたときにはすでにその場を通過していたからね。

　末包も１００パーセント捕れる打球だったが、直前になって菊池の守備力に頼ってしまったのだろう。相手が守備のうまい選手だけに、とっさに譲ろうとしたのだと思うが、捕球できる打球なのだからマイボールをアピールし、大きな声で菊池の動きを制止する必要があった。この連携がうまくいっていれば捕球できたはずだ。

　その後の大瀬良は相手の勢いにも押され、どれも甘い球になっていた。仮にアウトにしていれば無キズとまでは言わないが、最少失点で切り抜ける可能性があっただけにね。気持ちの糸が切れたというか、メンタル的に踏ん張りきれなくなったのかもしれない。

　（２失点後、若月、中川、大城、頓宮にも打たれ、この回合計７安打で大量６失点）

　初回、三者三振の好発進。その後、打者が一巡し、オリックス打線が変化球に目慣れしてきている雰囲気はあったが、大瀬良にしては珍しい崩れ方だった。好投手でもこういうことがあるということ。ワンプレーの大切さを痛感させられる試合になった。