広島・床田 今年も火曜日の男 4・1ヤクルト戦有力 3回0封に将も笑顔「何も言うことはないです」
「オープン戦、DeNA2-1広島」(11日、横浜スタジアム)
開幕ローテ入りが確実な広島・床田寛樹投手(30)が3回1安打無失点の好内容を披露した。オープン戦2試合目の先発に臨み、昨季日本一に輝いたDeNA打線を封じた。このまま中6日での登板が続くとみられ、シーズン初先発は4月1日のヤクルト戦(神宮)となる見込み。“火曜日の男”として、先発陣を支える働きに期待が高まる。
危なげなくアウトを積み上げる姿には、風格が漂っていた。床田は予定の3イニングを投げ終え「いろんな球種でストライクを取れた。真っすぐはスピードが出てなかったけど、しっかりファウルを取れたりできた」と収穫を持ち帰った。
初回1死から牧に右翼線二塁打を許すも、続く佐野を投ゴロ。2死から迎えたオースティンには3球連続で内角直球を投げ込み、三ゴロに料理した。
二回は先頭・筒香をチェンジアップで空振り三振。三回先頭の梶原は低めパームで見逃し三振に斬り、2イニング続けて三者凡退に片付けた。最速は143キロながら、緩急を生かした投球で昨季日本一の相手打線を寄せ付けなかった。牧以外の打者は全て5球目以内に打ち取っており、左腕らしいテンポの良さも目を引いた。
自身の投球の生命線はツーシーム。だがこの日、その得意球を1球も投げなかった。2回無失点だった前回6日のロッテとのオープン戦でツーシームの仕上がりにメドが立ったことが要因だ。
「他の球種でどれぐらい投げられるかな、みたいな感じ。ツーシームはもう投げられる状態なので」と意図を説明。球種に制限をかけた中での無失点投球。この時期だからこその工夫で、結果以上に内容のある登板にしてみせた。
新井監督は「ナイスピッチング。何も言うことはないです」と順調な仕上がりに笑顔。シーズン本番での登板日には「それは言えませんよ」とけむに巻いたが、今後は中6日で2試合に登板する見込みで、4月1日・ヤクルト戦でシーズン初先発に臨むことが有力視されている。
昨季も開幕2カード目の初戦となる4月2日・ヤクルト戦(マツダ)で自身の“開幕戦”を迎えた。前半戦は16試合に先発し、実に11試合で火曜日を任された。2年連続で11勝を挙げ、長いイニングも消化できるのが床田の武器。今季も“火曜日の男”として、1週間の先陣を切る役目を担うことになりそうだ。
「次はイニングも伸びてくるので、しっかりと本番想定で投げられたら」と先を見据えた左腕。チームの勝ち頭としての期待を背負い、残り期間で抜かりなく仕上げる。