ベール脱いだ広島新外国人・ドミンゲス 全球種披露 新井監督「面白い真っすぐ、いいカット」 カープアカデミー出身

 今キャンプ初ブルペンで、力投するドミンゲス(撮影・市尻達拡)
 ドミンゲスの投球連続写真
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 「広島春季キャンプ」(3日、日南)

 こりゃ面白い!広島の新外国人、ジョハン・ドミンゲス投手(29)が3日、今キャンプ初めてブルペン入りし、持ち球を一通り投げて仕上がりの早さを際立たせた。カープアカデミー出身の最速157キロ右腕は日本式キャンプにも適応しており、頼もしさも増すばかり。新井貴浩監督(48)は秘密兵器としての期待を寄せた。

 謎に包まれた新助っ人がベールを脱いだ。メジャー経験はなく、マイナーでも通算27勝。日本に届いている情報が少ない中、ドミンゲスが伸びのある直球と変幻自在の変化球を披露した。「(例年)この時期はもう、バッターとも対戦することもあった」とさらりと言ってのけ、カットボール、スライダー、カーブ、チェンジアップ、ツーシームの持ち球を全て投じ、調整ペースの速さを見せつけた。

 31球を投げたこの日は球速を測っていなかったというが「おそらく91から92マイル(約148キロ)ぐらいは出てたんじゃないかな」と笑顔。一定の充実感をにじませつつ、「まだまだ適応、調整していかないといけない部分はあると思う。カットボールとカーブは理想通りに投げられたかなと思うけど、スライダーはバラついてた。そこは次回に向けて修正していきたい」と話し、伸びしろを感じさせた。

 投球を見つめた新井監督も「面白い真っすぐ、いいカットを投げるよね」と評価した。「カットもベース板に近いところで曲がるから打者は嫌だと思うし、真っすぐも独特な真っすぐを投げるよね。伸びてくるような。力感はなくても、ベース板の上で伸びてくる。球威のある独特な真っすぐを投げるから面白いですよ」とうなずく。

 来日1年目の外国人選手がギャップを感じるのは、日米のキャンプの違いだ。米国の場合、1日当たりの練習時間は短いが休日はほとんどなく、実戦が多め。一方で日本は休日はあるものの、1日当たりの練習時間は長い傾向にあり、適応に苦しむ助っ人も多い。

 そこの心配はドミンゲスには不要。右腕は約10年前、母国・ドミニカ共和国にある『カープアカデミー』に在籍した経験がある。日本式、カープ式の練習にも取り組んできた過去があり、今キャンプでも「日本のキャンプがどういうのかっていうのは理解して来た。しっかりと準備をしてやってきた」と胸を張る。

 さらに適応を手助けするのが自身の趣味であるマンガ、アニメ鑑賞。日南には『ONE PIECE』と『ボルト~ナルトネクストジェネレーション』の2作のマンガを持ち込み、余暇を楽しんでいるという。

 日本文化にも親しみを持ちつつ、練習中は意図的に日本選手とランニングを行うなどして、交流を図るナイスガイ。ドミニカからやってきた“ドミちゃん”が力強い投球でジャパニーズドリームをつかむ。

 ◇ジョハン・ドミンゲス(Johan Dominguez)1996年1月18日生まれ、29歳。ドミニカ共和国出身。193センチ、86キロ。右投げ右打ち。投手。16年5月にブルワーズとマイナー契約。18年8月にホワイトソックスへ移籍。24年はホワイトソックス傘下でプレーして3Aでは27試合で7勝5敗、防御率4・43。メジャー出場なし。マイナー通算137試合で27勝32敗、防御率3・78。

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