広島・新井監督 「内容濃い一日だった」3安打完封負けにも 昨季唯一負け越しの阪神、反攻へ「みんないい反応をしていた」

 「練習試合、広島0-4阪神」(18日、コザしんきんスタジアム)

 完封負けを“額面通り”に受け取る必要などない。目立ったのは、若武者たちの必死さ。広島・新井貴浩監督(47)は「内容の濃い一日だったと思いますね」と終始明るい表情を見せた。昨季、辛酸をなめた王者を相手に刻んだ反攻への第一歩。それが手応えとして残った。

 計3安打のうち2本が堂林、坂倉の主力組。試合を通して三塁を踏めなかったが、指揮官は結果に至る過程に目を向けた。「タイガースも1軍で投げている投手がけっこう投げて来た。若い選手が打席の中で『どういう反応をするかな』と見ていたけど、こちらが思っていた以上に、みんないい反応をしていた」と個々のアプローチを評価した。

 2位に終わったチームが昨年、セ・リーグで唯一負け越したのが阪神(9勝15敗1分け)。相手は昨年リーグMVPの村上が先発し、才木、石井、桐敷、湯浅らが登板。1軍クラスの継投を前に、皆が必死に食らい付いた。特に九回2死では中村貴が湯浅の前に左飛に凡退。だが追い込まれてからファウルで4球粘って10球投げさせた。

 本人は「簡単に終われないというか。最後は四球を取りにいく気持ちだったが、悔しい」と振り返りつつ「手も足も出ない感じではなかった。そこは収穫です」と前を向いた。中村貴は九回2死一、三塁で福島の右前適時打で三塁を狙った一走を正確な送球で刺した。 「どんどん競争してもらいたい。次クールも、いいモノを見たい」と期待した指揮官。頼もしさを感じ取りながら、高水準のサバイバルを促す。

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