広島・秋山翔吾外野手（３５）が１６日、出身地の神奈川県横須賀市の令和佐原球場で「秋山翔吾野球教室」を開催した。同郷の小泉進次郎衆議院議員（４２）と２年ぶりとなる“対戦”も実施。結果は右飛に打ち取られたが、同議員から来季の活躍に太鼓判を押された。１０月末に手術した右膝の回復も順調。術後の影響を感じさせないスイングを披露した。

　故郷の空気を吸い、秋山が打席に立つ。シャープなスイングで打球をかっ飛ばす姿はヒーローそのもの。少年少女からは感嘆の声が上がる。「秋山翔吾野球教室」は今回で１０回目。１９チーム、計１１０人の小学生と触れ合い、「やっぱり横須賀に戻って、たくさんの人に支えてもらっている」と感謝した。

　実演したロングティーでは軟球を右翼スタンド場外に運ぶ場面もあった。そしてクライマックスは小泉進次郎衆議院議員との“１打席対決”だ。球場が盛り上がる中、２球目を打って結果は右飛。２年ぶりの対決は小泉議員に軍配が上がった。

　小泉議員は「だいたい私が打ち取った年の翌年は活躍していますから。きっと来年、さらなる活躍をしてくれる年になるでしょう」と来季の躍動に太鼓判を押した。

　西武時代の１６、１７年オフの対決はいずれも３打数無安打で小泉氏が勝利。同氏の言葉通り秋山は１７年に首位打者と最多安打の２冠に輝いた。１８年は２年連続で最多安打、３割２０本塁打もクリア。小泉氏の“秋山斬り”は、翌シーズンに向けた好転の兆しとも言える。

　対決を終えた秋山は「本気で打ちに行っているんですけどね」と苦笑いしつつ、「こういうつながりが長く続くように、野球選手として頑張っていきたい」と誓いを新たにした。

　１０月３１日に「右膝外側半月板部分切除」の手術を行った。キャッチボールなどの基本動作は、すでに再開。術後初めて公の場でスイングを披露するのはこの日が初めてとなった。

　だからこそ小泉氏は「手術をして今回（対決は）無理だろうなと思っていました。だけど、こうやって横須賀で変わらず野球教室をやってくれることに彼の“心”を感じます。（来季は）彼を心の底から応援している者として、彼が喜ぶ姿が見たいです」と秋山が優勝に貢献して歓喜を味わうシーンを描いた。

　離脱も経験して不完全燃焼に終わった今季からの巻き返しへ。「準備する段階で妥協や準備に抜かりがないように。また来季に向けて頑張っていきたい」と秋山。地元での時間もエネルギーに変えて、新たな戦いに挑む。