広島・内田湘大 完璧〝プロ初本塁打〟「1年以上ぶり。うれしかった」「良太さんと取り組んできた」
「フェニックス・リーグ、広島東洋カープ6-9東京ヤクルトスワローズ」(25日、天福球場)
広島の内田湘大内野手(19)が“プロ初本塁打”を放った。2点を奪って迎えた六回2死一、二塁で左越え3ラン。今リーグでは、新井2軍打撃コーチと二人三脚で打力アップに取り組む。その成果が結果となって表れた一発だった。
手に残る感触で確信した。内田は白球が左翼フェンスを越えるとゆっくり走り始めた。「ホームランは1年以上ぶり。うれしかった」。完ぺきだった待望の一発。自然と白い歯がこぼれた。
六回、2点を奪ってなお2死一、二塁。左横手投げの下が投じた内角直球を振り抜いた。角度があり、食い込んでくる球。捉えられたのは新井2軍打撃コーチとの練習の成果だ。
大切にするのは投手との「間」。左足を上げてから打ちに行くまでの時間を長くすることで対応力を上げてきた。「横の時間を長く取って、振りにいくことをやってきた。このリーグが始まる前に、良太さんと話し合って取り組んできた」
左横手投げの内角球は、シーズン中なら打ち返してもファウルだった。今リーグが始まり2週間強。日々の努力が実を結んだ。成長曲線を描く若鯉について新井コーチは「やってきたことが凝縮された一本だった」と、うれしそうに語った。
右の大砲候補として、昨秋ドラフト会議で2位指名されてから1年。試行錯誤しながら一歩ずつ階段を上ってきた。体重は昨年より8キロ増え、96キロ。プロとしての体つきにもなってきた。心技体で充実した初年度を送っている。
残りは4試合だ。若鯉は「やってきたことを続けていきたい」と力を込めた。手応えを確かなものとし、秋季キャンプに臨む。