カープ栗林「九回は特別なイニング」 明かした「抑え」への思い 初CSで重責を担ってみせる

 広島・栗林良吏投手(27)が本音をさらけ出す一人語り『謙虚』。今回のテーマは「守護神」。入団以来、勝利試合の最後を任されてきた右腕。14日から始まるCSファーストS・DeNA戦(マツダ)を前にその重責を担う投手の条件、責任感などを語った。

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 デイリースポーツ読者のみなさん、栗林良吏です。今回は「守護神」についてお話しします。このポジションには守護神だけじゃなく、抑え、ストッパー、クローザーといろんな呼び方があります。個人的には“抑え”が一番いいと思いますけど、格好いいのはメジャーでも言われる“クローザー”かなと思います。

 抑えをやる上で理想はまっすぐで空振り、見逃し、ファウルが取れる投手だと思います。速さだけじゃなく、キレ、コントロールが大事。阪神の岩崎さんはスピードガンの速さはそれほどでもなくても、まっすぐで押し込める。抑えは岩崎さんのようにキレとかファウルを取れる球質が求められる。加えてまっすぐ以外の決め球があるのが条件だと思います。

 九回は特別なイニングです。七、八、九回は相手が点を取りに来るために代打、代走をつぎ込む。独特の雰囲気があって、プレッシャーも違う。その試合だけじゃなくて、それ以降の試合にもつながるのは七、八回よりも九回の方が強い。三者凡退で抑えたら次の試合もいけるとなる。サヨナラ負けをしたり、九回に逆転負けをしたら連敗する印象もあります。

 プレッシャーもありますが、醍醐味(だいごみ)は勝利の瞬間にマウンドにみんなが集まってくれるところです。東京五輪の金メダルが決まる最後を投げさせてもらいましたが、映像に残るのは最後の1球。九回に投げている投手にしか味わえないところ。やりがいはあると思います。

 逆に九回で抑えられないと、相手チームも“いける”となって、反撃の勢いが強くなる。中日・マルティネスのような絶対的な存在がいると相手は“点を取れるかな”とマイナス思考になる。そういう違いがあります。

 先日、オリックスの平野佳さんが日米250セーブを達成されて名球会入りされました。自分も1、2年目は抑えを1年しっかりやれば30~40セーブできる。8年しっかり全うできれば、できる数字かなと思いましたけど、今年を経験して、難しいと感じました。250は偉大な数字。なかなか達成できないからこその名球会かなと実感しました。

 先発をやってみたい気持ちはゼロではないです。でも、抑えだけで野球人生が終われるならそれがいい。ずっと抑えでいられる投手はなかなかいない。入団したときは長くやりたいと思っていたけど今は1年1年が勝負という感じに気持ちは変わっていきました。

 初めてのCSが間もなく始まります。今はプレッシャーと不安しかないです。だから、出番は回ってくるなという気持ちです(笑)。理想は10-0で完封してくれたらと思っています。マウンドに上がりたい気持ちは全くない。投げなくてチームが勝ってくれたらいい。もちろん日本一にはなりたいですけど、自分が投げてとは思っていません。そういうタイプなんです。

 短期決戦は1球で流れが変わるので1球を大事にしたい。プレッシャーを力に変えてという気持ちで臨みたいと思います。(広島東洋カープ投手)

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