広島・田村俊介 未来の大砲が大物ぶり「凡退したとき切り替えて」プロ初スタメン初安打 「龍馬さんの穴を埋めて勝つ」

 プロ初安打のボールを手に笑みを浮かべる
 5回、センターへプロ初安打を放つ田村(撮影・伊藤笙子)
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 「東京ヤクルトスワローズ2-1広島東洋カープ」(12日、神宮球場)

 広島は5連敗で首位・阪神の優勝マジックは3となった。敗戦の中にあってプロ2年目の田村俊介外野手(20)が初スタメン。五回の打席ではサイスニードから中前打でプロ初安打を記録。未来の大砲候補がプロの第一歩を踏み出した。西川、菊池、上本が故障離脱する中、待望の若鯉が頭角を現した。

 6打席目にしてプロ初安打。一塁上で2年目・田村の笑みがはじけた。

 五回先頭。サイスニードの初球、高めに浮いたチェンジアップを逃さずスイング。打球は遊撃・長岡の横をすり抜けていった。

 「抜けろ!と思って、抜けたので良かったです」

 プロ初スタメン。最初の打席は二回1死一塁。初球を豪快なフルスイングで空振り。4球目を打って一ゴロ併殺打に倒れた。

 「最初、緊張しましたけど1打席目凡退したときに切り替えて(2打席目は)入れた」

 凡打しても引きずらない大物ぶりは未来の大砲を予感させる。

 2年目にして初の開幕1軍を勝ち取り、この神宮で行われた開幕戦には代打で出場も三振。1週間後には2軍に落ちた。7月12日に西川の離脱で再びお呼びが掛かったが、代打で2三振。1週間でUターンとなった。

 苦い思い出の神宮でプロ初安打を記録したのは何かの縁か。

 「前回の悔しさをここで晴らしたい気持ちだった。三振ばっかりから始まって、ちょっと苦しい気持ちやったんですけど、ホッとしたというか、次につながるかなと思います」

 その類いまれなる打撃センスは誰もが認めるところ。春季キャンプでは元中日・福留孝介氏から直接指導を受けた。新井監督からは何度も「泳いでもいいから前で打て」とアドバイスをもらった。2度の2軍落ちの中で、指揮官の教えを守ることにプラスして、自ら右肩の開きを抑えることを見つけ出した。

 「開きを抑えて前で打つのを意識すると自然と結果が出た」

 2軍では打率・278、4本塁打、29打点。3度目の1軍昇格をつかんだ。

 優勝は限りなく、絶望的となった。CSも視野に入れていかなければいけない状況。

 「(西川)龍馬さんとかケガでおられないので、その穴を僕が頑張って埋めて、勝てるようにできれば」

 二十歳は汗ビッショリのままチームを引っ張る覚悟を口にした。

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