広島・栗林語った 甲子園に出られなかったから今の自分がある 今年こそ最高の夏に 高校時代&21年東京五輪の思い出

 広島・栗林良吏投手(27)がデイリースポーツ読者に本音をさらけ出す一人語り『謙虚』。今回のテーマは「夏の思い出」。甲子園では球児が熱戦を繰り広げていますが、高校野球について、そして2021年に金メダルを獲得した東京五輪について語ってもらいました。

  ◇  ◇

 デイリースポーツ読者のみなさん、栗林良吏です。今回は「夏の思い出」についてお話しします。夏といえば、やはり高校野球。愛知黎明(れいめい)2年のときに準優勝したのが一番いい思い出です。

 1年夏も三塁で出させてもらってましたけど、監督に僕のせいで負けたと言われた悔しさもあって、負けたくない、活躍したい気持ちでした。

 この大会はずっと『3番・遊撃』で使ってもらいました。1、2回戦は先頭打者の遊ゴロをいきなりエラー。打撃ではなんとか貢献してましたけど、守備では全然という感じでした。きつかったけど負ける気はしなかったですね。

 決勝戦は愛工大名電が相手でした。秋の大会に1-0で勝っていた相手だったので、強豪校だからといって引くこともなく勝てるんじゃないかと思ってました。相手先発はDeNAの東さん。結局、1-2で負けたのですが、自分も打つことができましたし、守備でエラーもしなかった。今だから言えますけど、やりきった感がありました。決勝までいけたし、打撃だけですけど活躍できたので、1年目より悔しい思いはなかった。

 この大会から家族もみんなで球場に来てくれるようになりました。試合に勝った日は家族みんなで焼き肉を食べに行くとか。今に続いている自分の野球と家族の結びつきの始まりはこの夏があったから。野球人生の中でも大きな出来事でした。

 3年の時はキャプテンで投手。1学年上と違ってそんなに強いチームでもなく、秋も県大会に出るのがやっと。春にベスト8でシード権を取って、最後の夏は5回戦で栄徳に1-2で負けました。終わった時にはやっぱり涙が出ましたね。

 その後、栄徳は決勝までいって、藤嶋(現中日)のいた東邦に負けたんですけど。そういうチームに負けたのは悔しかったけど、良かったかなと。ずっと栄徳を応援して、決勝戦も見に行きました。

 振り返ってみると、満足のいく3年間だったと思います。もちろん甲子園に出たかった思いはありますが、出たら進路も変わって、今の自分がないかもしれないと思うと、出なくても良かったのかなとも思います。

 2021年夏の東京五輪も忘れられません。プロ1年目で、シーズン途中でもありましたし、キツさもありました。無観客だったのは幸いしました。プレッシャーが少ない分、疲労も少なかった。だから5試合全部に投げられたと思います。あの大会は自分のことだけで必死。日本代表ですから、打たれたら違う投手がいると思って投げてました。すべての登板にセーブと勝ちが付いて、ラッキーでした。あと、宿舎で(鈴木)誠也さんと食事をしたり、カープからは(森下)暢仁やキク(菊池)さんもいたので楽しい思い出ですね。

 今年の夏は優勝争いの中、厳しい戦いが続きます。僕は夏の方が得意だと思っています。2023年の夏が忘れられない思い出になるように頑張ります。(広島東洋カープ投手)

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