広島・床田 9回“完封”で死闘ドロー 10回無失点DeNA・バウアーと至高投げ合い 昨年8・3右足骨折の悪夢払拭

 7回、大和を併殺に打ち取りグラブをたたいて喜ぶ床田(撮影・田中太一)
 先発し、投げ込む床田
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 「広島東洋カープ0-0横浜DeNAベイスターズ」(3日、マツダスタジアム)

 広島は打線が決め手を欠いて今季2度目の引き分け。勝てなかったものの、ひときわ輝きを放ったのは先発した床田寛樹投手(28)だ。9回を投げて5安打無失点と文句なしの投球を披露。自身初の2桁勝利は次戦以降にお預けとなったが、安定感抜群の投球で相手打線を封じた。頼れる左腕が、夏場もチームを支えていく。

 表情を変えることなく、床田はスコアボードに九つのゼロを並べ続けた。白星という形で投球は報われなかったが、白熱した投手戦を演じた姿は色あせない。力投で本拠地を熱気に包み込んだ104球。プロ入り初の2桁勝利は次戦以降に持ち越しとなったものの「良かったですね」と納得顔を浮かべた。

 序盤から試合の主導権を渡さなかった。二回2死二塁では大和を右飛、四回2死一、二塁では再び大和を一ゴロに料理して先制点を与えない。「カーブでもパームでもストライクが取れましたし、ツーシームで強弱を付けながら、うまく打ち取れた」。110キロ台のカーブとパームで緩急を生かし、自在な投球で強力DeNA打線を手玉に取った。

 六回以降は相手打線を1安打に封じて、懸命に味方の援護を待った。最後のイニングとなった九回は先頭の宮崎を死球で出塁させるも、4番・牧を遊ゴロ併殺。2死から迎えた佐野には「何とかいいリズムで帰れるようにと思って最後、出し切って投げました」と残った力を振り絞って空振り三振に斬った。

 今季3度目の投げ合いとなった相手先発・バウアーとは、互いに譲らず好投を披露。「やっぱり、さすがだなと思いながら。何とか負けないようにと思って、食らい付いて投げていました」と負けん気を胸に刻んで腕を振った。

 悪夢を振り払った一夜にもなった。昨年8月3日も、敵地でのDeNA戦に登板。五回の打席で走塁途中に転倒し「右足関節(そくかんせつ)骨折」と診断された。無念の戦線離脱となり、昨年は同戦がシーズン最後のマウンドになっていた。「六回の打席に立つ時に、去年を超えられたなと思った」と率直な心境を明かし「逆に負けなくて良かった」と黒星を喫しなかったことをプラスに捉えた。

 好投に新井監督も「勝ちを付けてあげたかったけど、何も言うことのない素晴らしい投球でした」と絶賛。「同じ球種でも強弱を付けて投げられた。きょう投球は良かった」と床田。自身初の10勝目はもう、すぐそこだ。

 ◆両先発投げ合い0-0で九回終了 両チームの先発投手が9イニングを投げて0-0は、昨年5月6日・中日1-0阪神で大野雄が青柳と延長十回まで投げ合いサヨナラ勝ち以来。

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