カープ苦戦の甲子園 大瀬良も悔しさ募る決勝被弾「中に入ってしまい、見逃してくれなかった」 敗戦の責任を痛感

 6回、大瀬良はノイジーの打球に飛びつくも適時内野安打になる(撮影・立川洋一郎)
 6回を終え、ベンチに戻った大瀬良に声をかけ、新井監督はナインを鼓舞する(撮影・山口登)
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 「阪神タイガース4-2広島東洋カープ」(30日、甲子園球場)

 広島は阪神3連戦に2敗1分けと負け越し、首位奪回はならなかった。先発・大瀬良大地投手(31)は同点の六回、森下に勝ち越し2ランを浴びて6回4失点。今季は打線の援護に恵まれない試合も目立ち、無念の8敗目を喫した。チームも甲子園で2勝6敗1分けと黒星が先行。今後も上位争いのライバルとなる阪神戦は敵地での勝利が鍵になる。

 黄色い人波が揺れる球場の中心で、大瀬良は立ち尽くすしかなかった。無失点なら勝機が見える場面。だが、投げ込んだ1球は坂倉のミットに収まる前に左翼スタンドへと消えた。悔しさだけが募った8敗目。チームも敗れ、右腕は「結果的に4点取られたので」と敗戦の責任を一身に背負い込んだ。

 勝負の分かれ道になったのは、味方が同点とした直後の六回。1死一塁で森下への初球145キロが甘く入った。痛恨の勝ち越し2ラン。試合の潮目が明らかに変わった。「中に入ってしまい、見逃してくれなかった」と、結果を受け止めた。新井監督も「大地が一番、悔しいんじゃないかなと思う」と心境を思いやった。

 この日が15試合目の登板となった大瀬良だが、援護点は計22点。1試合平均では1・47得点の援護にとどまっており、攻撃陣との歯車がかみ合わない状況が続く。指揮官は「開幕してからずっと、大地の時になかなか援護できていないのは分かっている。また次、大地が投げる時にそこをね。野手のみんなも分かってると思うので(援護を)期待しましょう」と前を向きながら、攻撃陣の背中を押した。

 首位に立ち、阪神に1ゲーム差を付けて乗り込んだ今カードは全て2得点。3試合とも先制を許す展開にもなった。この日は今季初対戦の伊藤将を攻略し切れず、白星を献上。八回は加治屋、島本と小刻みな継投の前に反撃を封じられた。

 これで今季、甲子園での星勘定は2勝6敗1分け。さらに、この球場では9試合で1試合あたり2・89点と、赤ヘルの活気は影を潜めている。独特の雰囲気が漂う敵地だが、今後の戦いで覇権を争う相手の本拠地であることに変わりない。赤ヘルらしく束になって攻めていく攻撃を示すことも、秋口へのテーマになる。

 “真夏の天王山”で白星はもぎ取れなかったが、3連敗を阻んだのは前を向ける材料。「やっぱり投手もいいし、守りもいい、強いチームだなと思いましたね」と阪神の印象を語った新井監督。反省材料と収穫を手に、これまで通りナイン一丸で8月戦線に挑む。

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