九里完封でカープ6連勝 狭い神宮でも「恐れていたら勝負できない」 首位阪神に2差急接近

 6回、山田から三振を奪い、グラブをたたく九里(撮影・伊藤笙子)
 自身6勝目でチームの6連勝に貢献した九里
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 「ヤクルト0-8広島」(30日、神宮球場)

 広島の九里亜蓮投手(31)が5安打8奪三振で無四球完封。自己最多となる1シーズン2完封で6勝目を挙げた。チームは今季最長の6連勝で、同最多の貯金7まで増やした。首位・阪神とは2差、2位・DeNAとは0・5差まで迫った。新井鯉の勢いが止まらない。

 充実感いっぱいに、九里が神宮の夜空へ視線を送った。九回2死一塁。村上を一ゴロに打ち取り、試合を締めた。自分史を塗り替える今季2度目の完封勝利だ。

 「初対戦だし、一人一人と勝負していきながら。走者がいないときの一発は良いと思っていたので、思い切っていけたかな」

 攻める姿勢を貫いた。思い切って腕を振り、ストライクを先行させた。初回2死一塁は村上をツーシームで中飛。四回2死一塁でも一発があるサンタナをスライダーで中飛に打ち取った。

 神宮では黒星が続いていた。昨季は3戦3敗で、勝利は19年7月28日以来4年ぶりだった。「(去年は)ホームランでの失点は多かったけど恐れていたら勝負できない」。狭い球場でも投球スタイルは不変。臆することなく腕を振り続けた。

 「四球がなくて良かった」。3ボールになったのは二度だけ。5安打8奪三振無四球で6勝目。109球での完封に右腕のすごみを感じる。

 オフには米国の施設へ武者修行し、下半身の使い方などを一から学び直した。登板後は自身の投球を米国のスタッフに報告。次回登板へ向けて準備を整えている。

 「もうちょっといろいろやっている最中なので。もうちょっと上がっていくと思う。一日も無駄にすることなく過ごしていきたい」

 制球への自信を問われると、こう答えた。その言葉が頼もしい。

 広島から東京へ移動日なしで臨んだ一戦。背番号11が1人で投げ抜き、救援陣の負担を軽減できたのも今後の戦いに向けてはプラス要素だ。新井監督は「ブルペンを助けてくれた。毎回言っているけど、ナイスピッチングとしか言いようがない」と目尻を下げた。

 チームは連勝を今季最長の6に伸ばし、貯金を同最多の7とした。首位・阪神と2差、2位・DeNAと0・5差まで縮めた。新井鯉の勢いはとどまるところを知らない。

 「ずっとチームを引っ張れる存在になりたいと思ってやっている」。九里がチームにさらに大きな上昇気流をもたらした。

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