新井カープ執念采配!2戦連続で大勢攻略 激闘4時間43分逆転負けも「絶対にあきらめない」

 9回、松山の二ゴロで生還した羽月を出迎える新井監督(撮影・佐々木彰尚)
 押し出し死球を受け、すぐに起き上がってガッツポーズを決める磯村
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 「巨人5-4広島」(13日、東京ドーム)

 広島は延長十二回に2点を勝ち越したが、直後に3点を奪われ逆転サヨナラ負け。4年ぶりの3試合連続延長戦の末、連勝は4で止まった。敗れた一方で、新井貴浩監督(46)は1点を追う九回に4番・マクブルームに代打を送って一時同点とするなど、執念の采配を示した。2試合続けて相手守護神・大勢を攻略。示した意地を、次戦につなげていく。

 悲鳴と歓声が交錯する中、打球は中堅・秋山の頭上を越えた。延長十二回。死力を尽くして戦い抜いたが、7番手・松本が2点リードを守れずに逆転サヨナラ負け。新井監督は「ちょっと緊張していたかな…という印象。いい球を持っているんだから、この経験を次につなげて強くなってもらいたいよね」と右腕の心境を思いやった。

 直前の攻撃で、磯村の押し出し死球などで2点を勝ち越した。十二回は2連投中のターリーという選択肢もあった中、指揮官は「そこら辺は、こちらがちゃんと管理しないとね。まだまだ試合は続くので」と登板を見送り、松本に託した。最後の最後で巨人打線の粘りの前に屈したが、チーム全体として反発力を示したことも事実だ。1点を追う九回に、その粘り強さが凝縮されていた。

 先頭・野間が四球を選ぶと、ベンチは代走・羽月にスイッチ。羽月は続く秋山の初球に二盗を決め、塁上でガッツポーズを繰り出した。本人は「信じて行きました。練習してきたことをそのまま敢行した結果、セーフになった」と大仕事を振り返った。

 秋山が犠打成功で1死三塁。そして打順が4番・マクブルームに巡ったところで再び新井監督が動く。「あそこは勝負に行きました」と代打に告げた松山が二ゴロを放って羽月が生還。松山は「(打席での貢献を)積み重ねていくだけ。また、あしたも頑張ります」と前を向いた。

 4番への代打は今季初。徳俵に足が掛かった状態から次々に勝負手を打ち、ダイヤモンドに立つ鯉戦士たちが呼応した。選手とベンチ一体となり、無安打でもぎ取った執念の1点。躍動感にあふれた同点劇は、見る者の心を打った。

 前夜も1点を追う九回に松山が大勢から同点の適時打。2日続けて相手守護神を攻略し、ベンチ入り野手17人全員を使い切った。「最後まで絶対にあきらめない、ひっくり返すという姿勢はこちらにも伝わっている」と指揮官。この道を突き進めばいい。4時間43分の激闘の中で示した確かな変革が、決して色あせることはない。

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