広島・床田 269日ぶり勝利 右足首骨折、一進一退も乗り越え8回途中3失点 今季初3連勝3位浮上

 巨人打線を相手に好投した床田(撮影・田中太一)
 お立ち台で笑顔を見せる(左から)床田、戸根、デビッドソン
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 「広島6-3巨人」(8日、マツダスタジアム)

 左腕エースが帰ってきた。広島・床田寛樹投手(28)が八回途中まで3失点の好投で今季初勝利。昨年7月13日・DeNA戦(マツダ)以来、269日ぶりの勝利となった。昨年8月の試合中に右足首を骨折。復帰2試合目での勝利は新井カープにとってこれほど心強いことはない。チームは今季初の3連勝でDeNAに並んで3位に浮上した。

 骨折明けを感じさせない快投だった。床田はMAX146キロの直球を中心にツーシーム、パームを駆使する投球で六回までは無失点。打線は乗せられるように今季最多の6点で援護。投打がかみ合った。

 七回に坂本に一発を浴び、八回は丸に適時打を打たれたところで降板となったが、7回1/3を9安打3失点の好投。右足首骨折を負う前の昨年7月13日以来、269日ぶりの白星を手にした。

 久々のお立ち台では「すごくうれしいです」と話した。ひょうひょうとした姿は変わらない。涙も感慨にふける場面もなかった。

 昨年8月3日のDeNA戦で一塁に向かう際につまずき転倒。翌日、横浜から松葉づえで広島に戻った。

 「終わったと思いました」

 ところが、病院での診断結果は手術の必要なし。CSでの登板に向けて準備をすることになった。残念ながらチームが4位に終わり出番はなかった。が、ここから苦悩の日々が待っていた。

 右足首は痛みが残った。トレーニングをしては痛みが出て注射。一進一退の日々。「良くなってくれたらいいのですが…」。キャンプインまでに良化しなければ最悪、手術も考えたという。

 幸い、痛みは出なかった。キャンプから好調時のようなボールが戻り、オープン戦初登板でも快投。順調に見えたが、そこからは登板するたびに打ち込まれた。オープン戦は3試合で防御率8・10に終わった。

 開幕前、菊地原投手コーチと原因を探った。昨年の好調時と現在の映像を比較。スロー再生を繰り返し微妙な変化を見つけた。

 「良かった時は右足が、かかとから着いていたけど、変わっていた。無意識に足をかばった」

 右足の着き方を意識的に変えたことで1日・ヤクルト戦は6回無失点の快投。この日は初勝利を挙げた。

 それでもまだ復活ではないという。

 「僕の場合はやっぱり夏場以降だと思う。そこをどう乗り越えられるかだと思います」

 今季の目標は2桁勝利と規定投球回数。左腕エースはフルシーズンの活躍までは納得するつもりはない。

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