新井カープ 29年ぶり開幕戦完封負け 新井監督サバサバ積極姿勢は責めず「全体的に硬かったかな」

 ヤクルトに完敗し、悔しさをにじませながら引き揚げる新井監督(撮影・田中太一)
 6回、田中の中飛で一塁走者・菊池(33)は帰塁できず併殺となる
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 「ヤクルト4-0広島」(31日、神宮球場)

 プロ野球は31日、各地で5試合が行われ、全12球団が開幕した。広島は3安打と打線が振るわず、2年ぶりの開幕戦黒星発進。開幕戦完封負けは1994年以来29年ぶり6度目となり、新井貴浩新監督(46)の初勝利はお預けとなった。走塁ミスに併殺打も目立った敗戦。きょうこそ、チーム一丸で2023年の初勝利をもぎ取る。

 真っ赤に染まった左翼スタンドから、ため息が漏れる。ファンもチームも願った新生カープの初陣星。だが、結果はリーグ2連覇中のヤクルトに完敗を喫しての黒星となった。新井監督は「開幕戦ということもあって、少し独特の緊張感があるんで。全体的に硬かったかな」とサバサバとした表情で振り返った。

 オープン戦最終戦と同じく、1番・小園、3番・秋山、5番に西川を配したオーダー。初回2死から秋山が左前打で出塁したが、続くマクブルームの打席で盗塁死。投球前にスタートを切ったが、けん制アウトとなった。

 機動力野球の復活を掲げる今季。「アキの場合は勝負していいと言っている。何年やっていても、やっぱり開幕戦というのは独特の緊張感があるから」と積極的な姿勢を責めることはなかった。

 二回以降は小川の前に凡退を重ね、二回から四回までは無安打。2点を追う五回は1死一、二塁の好機をつくったが7番・坂倉が遊ゴロ併殺に倒れた。そして痛かったのは六回だ。無死一塁で代打・田中の打球は右中間への飛球。だが一走・菊池がスタートを切っており、戻り切れずに併殺となるミスもあった。

 拙攻に走塁ミスも重なれば、主導権を奪えない。今季から捕手に専念し、初の開幕スタメンマスクの坂倉も4盗塁を許した。チームの課題が明確になった黒星。前日30日に指揮官は「私たちのチームは戦いながら強くなっていかないといけない」と話していた。発展途上であることは承知の上。試合での経験を何よりの糧とし、選手個々が成長していくしかない。

 監督としての初采配となった一戦。「そんなに変わらず、平常心で入っていけました」と淡々と心境を明かした。試合後、三塁ベンチから引き揚げる際にはファンから「新井、頑張れ」の温かい声も背中に受けた。

 4年ぶりの声出し応援解禁。初回の攻撃開始時には自身の現役時代の応援歌も鳴り響いた。「やっぱりいいなと思います。日常が帰って来た」と指揮官。まだ1試合が終わっただけ。赤い声援に応えるため、前だけを向いて歩みを進めていく。

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