広島・大瀬良 スイミーになる カープの目に!赤ユニ忘れてただ1人の白ユニ姿で宣言

 充実のキャンプを終え、一人ホーム用ユニホームであいさつする大瀬良(中央)と、奥で肩を組んで笑顔を見せる新井監督(中央奥)らカープナイン 
 西川(5)、野間(右)らと笑顔でタッチを交わす大瀬良(撮影・田中太一)
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 「広島春季キャンプ」(28日、沖縄)

 広島は28日、沖縄の2次キャンプを打ち上げた。ただ一人、赤いビジターユニホームを忘れた選手会長の大瀬良大地投手(31)は締めのあいさつで絵本「スイミー」を引用し、「みんなの、カープにとっての目となり、優勝、日本一に向けて引っ張っていく」と力強く宣言した。

 赤いビジターユニホームの中でただ一人、忘れた大瀬良だけは白のホームユニホーム。“逆境”にあっても、選手会長は動じることなく、言葉に変えた。

 「僕がスイミーのように、みんなの、カープにとっての目となり、優勝、日本一に向けて引っ張っていく存在であり続けます」

 世界的な絵本を引用し、エースとしてチームを引っ張る覚悟を宣言してみせた。

 「ピンチをチャンスに変えて(笑)いい言葉として何かないかなあと考えて、スイミーはいいかなと。小さな魚でも束となってやっていけば、強い大きな魚も追い払えるという意味合いのある物語。まだまだ未熟なチーム。そういった意味でもすごく合っているのかなと思います」

 思いは誰よりも強い。昨年8勝に終わり、雪辱を期す今季。オフから体重増、投げ込みなど、取り組み方を積極的に変えて復活を目指してきた。成果は表れ、すでに150キロ超の直球を披露。25日・巨人とのオープン戦(沖セル)でも2回無失点の好投を見せ、新井監督から5年連続開幕投手の大役を託された。

 スピーチでは気配りの人らしく、黒田博樹球団アドバイザーの座右の銘、『耐雪梅花麗(雪に耐えて梅花麗し)』と新井監督の応援歌の一部『赤い心をみせ、広島を熱く燃やそう』を引用。指揮官の言う“家族”の一体感も示してみせた。

 「新しく監督も代わってスタートするシーズンですし、ちょっとでも頭に残って若い子たちも多いので、そういうときに乗り越えられる言葉として、“こういうこと言ってたな”と思い出してくれる言葉にどれか一つでもなっていればいいかなと思います」

 日南から沖縄と続いたキャンプは終わった。ここからは広島に戻ってオープン戦を戦う。1カ月後の開幕に向けてさらに調子を上げていく。これから行く手を阻む壁はいくつも現れるかもしれない。そんなときスイミーのようにチーム全員で束になって壁をぶち破る。その目に大瀬良はなる。

 【大瀬良のスピーチ全文】

 まずはじめに球団関係者の皆さま、裏方、スタッフの皆さま、沖縄協力会の皆さま、そして連日、足を運んでくださったファンの皆さま。皆さまのおかげで充実したキャンプが送ることができました。ありがとうございました。

 雪に耐えて梅花麗し。厳しい寒さを乗り越えていくと、厳しい寒さに耐えてこそ、美しく咲く梅の花のように。まだまだ未熟なチームではあると思います。厳しいこと悔しいこともたくさんあると思います。それを乗り越えて秋にどこよりもきれいな美しい花をみんなで咲かせましょう。

 そして僕がスイミーのように、みんなの、カープにとっての目となり、優勝、日本一に向けて引っ張っていく存在であり続けます。

 (全員で輪になって肩を組んで)

 優勝・日本一に向けて、新井監督のもと赤い心を見せ、広島を熱く燃やしていきましょう。

 ◆スイミー(Swimmy) 1963年に出版されたオランダ出身のアメリカの絵本作家レオ・レオニ作の絵本。日本では谷川俊太郎の翻訳により「スイミー-ちいさなかしこいさかなのはなし」の邦題で1969年に好学社から出版。光村図書出版が発行する小学校2年生用の国語教科書に1977年から載録されている。黒く小さい魚のスイミーが仲間の赤い魚たちを救う海の中の物語。

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