新井貴浩氏 カープ新監督就任要請を受諾 3連覇の立役者にチーム再建託す

広島から新監督就任要請を受け、受諾した新井貴浩氏
現役時代の新井氏
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 球団OBの新井貴浩氏(45)=デイリースポーツ評論家=が、広島から新監督就任要請を受け、受諾したことが6日、分かった。近日中にも正式発表される。佐々岡監督が成績不振を理由に9月下旬、辞意を申し入れ、了承された。球団はOBを中心に新監督の選定に着手していたが、4年連続Bクラスのチーム再建は3連覇達成時のリーダーに託された。

 新星カープの指揮を執るのは新井氏だ。16~18年のリーグ3連覇の立役者は、愚直な人柄で絶大なリーダーシップを発揮してきた。選手をひとつにまとめてきた手腕や鋭い野球理論に、球団はチーム再建を託した。

 今季は開幕ダッシュに成功しながら交流戦で失速。後半戦は主力選手に離脱者が相次ぎ、先発陣も調子を崩すなどして9月中旬に優勝の可能性が消滅。CS争いには最後まで食らいついたが、5位でシーズンを終えた。

 3連覇後のチームは、若手に切り替わる過渡期とも重なり4年連続Bクラスと低迷。立て直しへと向かう中で厳しいかじ取りになることも予想される。それでも新井氏は現役時代、「ファンのみなさんが喜んでくれるのが一番うれしい」「声援が自分の心を奮い立たせてくれている」と何度も口にしていた。誰のためにプレーするのか?と問われれば、真っ先に「ファンのため」とも答えてきた。

 忘れられないのが阪神から復帰した2015年、ヤクルトとの開幕戦。七回、大歓声と拍手を浴びながら復帰後、初打席を迎えた。

 「うれしかったし、鳥肌が立った」

 球団では、FA移籍した選手の復帰は過去に例がなかった。満員のスタンドが温かく迎えてくれた時間は、ファンへの恩返しを誓った瞬間でもあった。その思いは現役を退いた今でも、決して忘れてはいない。

 旧広島市民球場時代の低迷期は野手の力が強く、投手と野手が同じ方向を向いていない時期を経験した。一方で3連覇達成時、チームの結束力は何よりも強固だった。頂上へ駆け上がるために必要なもの。長打力不足など課題が山積する現状はありつつも、選手、スタッフなどカープに携わる全員が同じ方向を向き、役割を全うするチームが理想だ。

 監督就任は近日中にも正式発表される見通し。広島で生まれ、育った。幼少期から赤い帽子をかぶってきた野球人生だ。すべてはファンのために-。新井氏が再び広島を笑顔の花で埋め尽くす。

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