広島・菊池涼、先制打&確信3ランで4打点 Aクラス遠のく連敗、窮地のコイ救ってくれ
「阪神6-5広島」(31日、甲子園球場)
広島は五回に菊池涼介内野手(32)の6号3ランで一時は逆転するも守り切れず連敗。3位・阪神まで3・5ゲーム差。4年ぶりのAクラス入りが厳しくなってきた。8月はコロナ禍の影響もあり、10勝15敗。この日は秋山も代打出場。離脱組は続々と戦列に復帰。役者はそろいつつある。残り20試合で驚異の追い上げを見せる。
菊池涼は打った瞬間、バットを投げ左手でスタンドを指さした。確信の逆転3ラン。カープファンのボルテージは最高潮だった。
「風です。欲がなくて、フラットに入っていけているのがいいのかな」
逆転を許し3点を追う五回。小園の安打から野間の適時打で1点をかえすと、なおも1死一、二塁から菊池涼は伊藤将の初球135キロを完ぺきに捉え、左翼スタンド中段まで運んだ。甲子園での一発は2019年9月21日以来。今季はここまで打率・103と苦手にしていた球場で放った劇弾。誰もが勝利を確信した瞬間だったが、残念ながら逃げ切ることはできなかった。
3位・阪神に3・5ゲーム差。4年ぶりのAクラスを目指す上で、厳しい状況に入った。だが、悪いことばかりではない。菊池涼は8月16日にコロナ陽性を受け、離脱。この試合で初めて先発復帰。三回には先制打を放つなど、健在ぶりをアピールした。
佐々岡監督は「離脱などがあったが、引っ張っていってくれている。菊池はコロナ前からも本当に引っ張ってくれていたのでね」と頼もしげに話した。
五回にはこちらも体調不良で離脱していた秋山が代打で出場。快音は聞かれなかったが、3打席立った。稀代のバットマン、打席数をこなせば復調は早い。また野間、上本、小園の離脱組はこの試合でいずれも安打を記録した。逆転でのCS進出へ向けて戦力は整いつつある。
誰もが万全の状態ではない。それでも目標がある以上は諦める訳にはいかない。
菊池涼がチームの思いを代弁する。
「コンディションはまだまだですけど、起用されればしっかり気持ちを入れてやる。僕らは行けと言われればやるしかない。僕だけじゃなく、(上本)崇司もそう、野間もそう。総力戦だから、みんなでカバーしていかないと。きょうは僕が打ったけど、9人全員でカバーして行ければ何とかなると思う」
残り20試合。勝負の9月、互いを信じてラストスパートを掛ける。



