極貧打線の広島は上本の高出塁率を生かすべし!北別府氏「打撃がしぶとくなっている」

 苦手の交流戦を5勝13敗で終えた広島はリーグ戦再開後、崩れたチームをどう建て直すのか。デイリースポーツウェブ評論家の北別府学氏は「得点力を高めるために全力で工夫するしかない」と語り、出塁率の高い上本崇司内野手(31)の1、2番での起用を提案した。

  ◇  ◇

 交流戦はなかなか厳しい戦いを強いられたね。ここという場面で適時打が出なかった。カープの総得点は12球団最少の33。これでは勝てないですよ。

 まあ終わったことを言っても仕方がないけど、あまりにもあっさりと負けた試合が多かった。再開するリーグ戦には気持ちを切り替えて臨んでほしい。後ろへ後ろへとつなぐ“広島らしい”打撃を思い出すことだね。

 どうすれば得点力を高められるのか。首脳陣もいろいろ工夫していると思うが、それが表に出てこないというか、見えてこない。

 ベンチの意図と選手の動きがかみ合ってこない。打順の入れ替えもそのひとつで、1番打者が固定できない状況は変わらないね。

 しばらくの間、野間が頑張っていたが、交流戦の終盤に入って調子を落としていた。西武戦では宇草を今年初めて1番に据えて、2試合で3安打。ベンチの期待には応えたと思う。

 ただ、今年は途中から3番に替わった西川を除いて大盛や堂林、中村健も1番に座りながら、この打順を自分のものにした選手はまだいない。レギュラーを奪うチャンスなんだけどね。

 さて、この“1番打者コンテスト”に、打撃好調を維持している上本も加えてみたらどうだろうか。

 上本はしぶとい打撃をするようになっている。かつてのようなひ弱なイメージがなくなり、力がついてきた。代走や守備固め、故障者の穴埋めのような役割から抜けだし、一本立ちした感じだ。

 鈴木誠也が抜けたあと“控えは似たようなタイプばかりで大した選手がいない”と言われたことで“これではいかん”と奮起したんでしょう。今ではチームリーダー的な雰囲気も漂わせているしね。

 好調を裏付けるのは・387という出塁率の高さにある。もちろんこの数字はチームで1番。規定打席には到達していないが、打率が・293で、これもチームトップですよ。(入団10年目の上本は昨年残した63試合、68打席、55打数、15安打、打率・273、出塁率・382が最高の成績。今年も規定打席未到達だが、12日現在で149打席はキャリアハイの数字)

 彼の良さは粘り強い打撃で、ファウルで逃げているうちに四球(14個)をもぎ取る。死球が5というのも凄いね。これも気迫の表れかもしれない。内外野とも守れるのも強みだ。

 この特長を生かすなら1番か2番の上位に置いて、中軸へつなぐ役割が最も適しているのではないか。菊池涼も今は打ち損じが目立ち、好調時の打撃ではないからね。そのあたりも含めて打順の再編を進めてみるのもいいかもしれない。

 カープは借金からの再スタートになってしまったが、まだまだ試合は残っている。新たに開幕を迎えたつもりで入っていけばいいと思いますよ。

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