出てコイ救世主 カープついに貯金消滅 オリックスに12連敗で交流戦勝ち越しなくなる
「広島2-5オリックス」(5日、マツダスタジアム)
広島は逆転負けで3連敗。最大7あった貯金はついになくなり、今季初の勝率5割となった。対オリックスは18年から12連敗。交流戦は3勝9敗となり、4季連続で勝ち越しはなくなった。首位・ヤクルトとは今季最大の7・5ゲーム差に開いた。救世主の出現が待たれる。
涙雨が3万377人の大観衆をぬらし続けた。先制したが追いつかれ、突き放したが逃げ切ることはできなかった。
悲劇は1点リードの七回に訪れた。2番手・塹江はストライクが入らない。7球連続ボールなど2連続四球で降板。慌てて送り込んだケムナは無死満塁から代打・安達に対して2ストライクから右線二塁打を許し、一気に逆転を許した。さらに1死二、三塁で福田にはカウント1-1からスクイズまで決められた。この試合まで11試合に登板し、防御率0・00だった右腕でさえも交流戦の重い空気にのみ込まれていった。
佐々岡監督は「相手の打者を見て、流動的にというのは決めている中で塹江でいきましたけど、ストライクが入らないと勝負にならない。そういう投手を出したのはこちらの責任」と責めることはなかった。
開幕以来の課題である守護神・栗林までつなぐ、勝ちパターンの構築。セットアッパーに期待した中崎が打ち込まれ降格して以降も見えてこない。その弱点がここでもくっきりと表れた。
打線も5試合連続無安打と不振の小園を今季初めて先発から外して遊撃に上本を起用。三回は先頭・上本の右前打をきっかけとした2死一、三塁で、中村奨が中前適時打を放つというつなぎの野球で先制した。同点の六回無死一塁は坂倉の左中間適時二塁打で勝ち越したが、無死二塁から下位打線で追加点が奪えなかった。
指揮官は「(現状は)1点、1点というのが精いっぱいというところ。最少得点差でも勝ちきっていかないと。点を取った直後の失点が目立っている。だからこそ、こういう結果になっている」と振り返った。
3連敗で、オリックス戦は17年6月15日の勝利を最後に12連敗。開幕6連勝から守ってきた貯金もついに使い果たした。
ゼロからの再出発。そんなピンチに大瀬良、西川という投打の主軸が登録抹消された。佐々岡監督は「(交流戦は)残り1週間ありますし、頑張ります」と必死に前を向いた。楽天、西武とビジターが続く6連戦。早くも今季の正念場が訪れた。