広島・坂倉V打!マクブルーム同点打! 今季最多「貯金7」、さあ竜に倍返しだ!
「広島3-2中日」(16日、マツダスタジアム)
広島が接戦を制して首位を堅守、貯金を今季最多の「7」とした。2点を追う三回にライアン・マクブルーム内野手(30)と坂倉将吾捕手(23)の連続適時打で逆転に成功し、5投手による継投で1点差を守り切った。前回の中日3連戦(1~3日・バンテリンドーム)では3連敗を喫しており、今季初めて中日から勝利。球団通算4500勝にもあと4勝に迫った。
赤く染まった本拠地が大きく沸いた。2点のビハインドをすぐさまはね返せるのが、赤ヘル打線の強み。その中で5番・坂倉が今季初の決勝打を放った。「1打席目はチャンスで凡退していたので、何とかやり返してやろうと思っていた」とバットに意地を込めて快音を響かせた。
0-2の三回。マクブルームの2点適時打で同点とし、なおも1死一、二塁で5試合ぶりの打点となる右前適時打。中日先発・岡野の2球目を捉え「思いっきり振り抜けたし、強く振れたので良かった」。初回は2死一、二塁で二ゴロに凡退。次の打席でリベンジに成功した。
その三回は1死から西川、菊池涼の連打と小園の四球で満塁。この好機にマクブルームが左前に運んで試合を振り出しに戻した。坂倉の決勝打を呼び込む価値ある一打に「チームが非常にいい雰囲気。相乗効果でリラックスして(試合に)臨めているので、結果につながっている」と充実感を漂わせた。
チームが放った8安打は全て単打。佐々岡監督は「つながって1点1点取るのが今年、はまっている。集中打など、いい流れで来ているのは先発投手の頑張りもある」と投打の好循環に手応えを感じ取っていた。
坂倉は昨季も5番として鈴木誠(カブス)の後を打ち、リーグ2位の打率・315と躍進した。「本塁打を打ちたいとかではなく、『強いスイング』ができる打者になりたい」。そう理想を掲げたのは昨年オフ。中心打者として、求められるモノが高くなっても決して自身の打撃スタイルを見失うことはない。
「不器用なので大きくは変えられない。突き詰められるところを自分で突き詰めて、それが数字の結果につながれば」。謙虚に足元を見つめ、これからも期待に応えていく。
開幕から全試合で5番に座り、自覚も高まっている。「きょうのように試合を決める一打もあるし、逆に自分が(本塁に)かえってくることもある。すごく重要な打順。僕の前後にはすごい先輩たちがいるので、そこにつなげられたら」。打線の“潤滑油”として、これからも勝利に欠かせぬ存在になっていく。