カープ崖っ縁の男たち 野村に明日はあるのか?一岡、中崎、薮田も 北別府氏が迫る

 広島・野村祐輔投手(32)が0勝で今季を終えた。最多勝と勝率1位の元2冠投手は来季、復活できるのか?デイリースポーツウェブ評論家の北別府学氏は「昔の自分を追いかけてはいないか?新しい投球スタイルを」と語り、一岡や中崎、ケムナ、中田ら中継ぎ組には「球のキレ」を求めた。

  ◇  ◇

 野村が年俸を大幅に減らして来季の契約を結んでいたけど、何しろ実績のある投手。期待されてチャンスをもらったんだから、それに必ず応えるという姿勢をキャンプから見せてもらいたい。

 穏やかでイケメンの顔が鬼の形相になるほどの必死さを期待している。

 カープは今年のドラフトで育成を含めて11人も指名した。投手6人のうち社会人と大学出身者が4人。オフに入って今村が自由契約となり、野村だって不安だったのではないか。

 正直言って、今のままの投球スタイルでは厳しいと思う。いつまでも20代のころの自分を追いかけていては現状を抜け出せない。

 なぜ通用していないのか。しっかりと今の現実を受け止めた上で変わってほしい。豊富な変化球をいかにうまく使うか。そろそろそうならないといけないし、野村祐輔ならできると私は思うけどね。

 元来球速はそんなにある方ではないが、速く見せる技があった。それでも徐々に球威に陰りが見え、得意のスライダーにも往時のキレがなくなっている。

 だから簡単に追い込んでも、なかなか打ち取ることができない。ファウルで粘られた結果、甘く入って打たれるのを怖がり四球を与えてしまう。最近の崩れ方は、ほとんどこのパターン。

 もともと制球力はあるが、四隅ギリギリを狙わないと打ち取れないと思うから、余計に自分を苦しめているのだろう。

 ボールのスピードを今から上げようとしても難しい。ならばもう一度、下半身を鍛えてボールのキレをよくするしかない。

 また、今の外角主体の投球から、内角を大胆に突いていくような投球の組み立て、勝負の仕方に転換していく方法もある。緩いボールを効果的に使って、真っすぐをより速く感じさせる投球も、さらに意識する。

 そして最も頼りにするスライダーに磨きをかけて、いかに打者の体近くでボールを曲げるか。これは非常に難しい技法だが、何とか身につけてほしい。彼の能力からしたらできる。

 私にも経験がある。11年連続で2桁勝利を挙げた翌年、自分のフォームが分からなくなったことがあった。調子を崩しているのだが、なぜなのか映像を見ても、その変化が分からなかった。

 そのときは野村と同じように、打たれるのを嫌って、四隅を狙いすぎる傾向にあったように思う。

 そこから再び2桁勝つのに2年を要したが、野村も変化を怖がらず、聞く耳をもって新しいことにチャレンジすれば、復活する可能性はあるはずだ。

 カープにはほかにも気になる投手がいる。一岡は来季へ向けて縦の変化に加え、横の変化で投球の幅を広げようとしているようだね。いいことだと思う。

 3連覇のころ、多くの試合に起用されたことで疲れがたまり、球威が落ちていた。スピードさえ戻ればまだやれるよ。

 中崎にしても肩肘に蓄積した疲労が取り除かれつつあるようで、復活の目はある。

 とはいえ明日はどうなるか分からないのがこの世界。薮田や中田も含め、ベテランも中堅も崖っ縁に立ったつもりで、キャンプから飛ばしていかないとダメ。

 そのためには充実したオフを過ごすこと。背後にルーキーたちがいることを決して忘れてはいけない。

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