広島 桑原が戦力外 悔いなし、引退「今年が始まるときから最後だと思って」

 広島の桑原樹内野手(25)が3日、球団から来季の契約を結ばないことを通告された。今後は現役続行を諦め、引退する予定だ。

 全力で駆け抜けたシーズンだった。球団事務所を訪れた桑原は顔を上げ言葉を紡ぐ。「今年が始まるときから最後だと思ってやってきた。結果は残らなかったけど後悔なくできた」。充実した毎日に思い残すことはない。

 6年目の昨季、初めて1軍に昇格した。9月5日のDeNA戦だ。途中出場し、八回の打席で三飛に倒れた。その後の2試合でも無安打。通算3試合の出場。プロ初安打を記録することはできなかった。

 それでも出場できたことに胸を張る。同年1月に菊池涼の自主トレに参加し、ヒントをもらって打撃を磨いたからこそ、つかみ取った1軍の舞台。「諦めなければ結果は出る」。継続することの大切さを感じた瞬間だった。

 今季は小園や林が1軍で躍動したが、2軍でもその潜在能力の高さを目の当たりにしたという。「2年前に入ってきたとき、こいつらに勝てないと思った」。弱肉強食の世界。だからこそ「野球は退こうかなと思う」とユニホームを脱ぐ決意を固めた。

 7年間の大半を2軍で過ごした。「大野の練習場の方や由宇の方は、朝早くからグラウンドで準備してくれた。すごく感謝しています。良い先輩、かわいい後輩とも野球ができて良かった」。たくさんの感謝を胸に、プロ野球人生に別れを告げた。

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