広島・鈴木誠 球宴御礼弾!6年連続2桁10号 主砲先制2ランも痛恨逆転負け

 「巨人11-8広島」(29日、東京ドーム)

 ファンに贈る御礼弾じゃ-。広島の鈴木誠也外野手(26)が初回、2死一塁から左越えに先制の10号2ラン。前日28日にファン投票で5度目の球宴出場チケットを与えてくれた鯉党に感謝の一撃を届けた。ただ、主砲の6年連続2桁弾も実らず、痛恨の逆転負け。寝苦しい夜になった。

 力強く振り抜いた打球が左翼席に突き刺さった。敵地を静まり返らせた一撃。鈴木誠が先制の10号2ランを放ち、これで2016年から6年連続となる2桁本塁打を達成した。

 初回2死一塁。低めフォークを捉え、華麗なアーチを描いた。「先制点を取ることができて良かった」と一発を振り返った。

 28日に通算5度目のオールスター選出が決まった。「ありがたいなという気持ちと、ふがいない成績にもかかわらず選んでもらってうれしく思います。少しでも活躍できるように頑張ります」と意気込んでいた主砲。感謝をバットで示す御礼弾を放った。

 2点ビハインドの先頭で迎えた五回にも冷静に四球を選んで出塁し、攻撃の起点となった。1死満塁で野間が左前適時打。さらに満塁で代打・松山が右中間へ2点適時二塁打。一時逆転に成功した。

 「どんな形でもいいので、とにかく1点でも入るようにとイメージして打席に入りました。しっかり反応することができた。何とか結果に応えられるようにやっていきたい」と振り返った松山の気迫が実を結んだ。

 だが…。打線はつながりを見せたものの、投手陣が7連勝中と勢いに乗る巨人打線を止められず、1点リードの八回にドラフト2位の森浦(天理大)が岡本和に痛恨の勝ち越し弾を浴びるなど4失点。借金は今季ワーストタイの16に膨らんだ。

 鈴木誠はワクチン接種の副反応の影響で一時試合を欠場したものの、26日の中日戦からスタメンで復帰すると全快を印象づけるようにバットが火を噴いている。3試合で2本塁打。記念の2桁弾は勝利に直結することはなかったが、侍日本代表にも名を連ねる4番が彩る弾道はチームの未来を明るく照らす。

 戦いはまだまだ続く。下を向いている時間はない。次こそチームを勝利へ導く一撃を放り込む。

 ◆6年連続2桁弾

 球団史上19人目。広島在籍時で球団最長連続年数は衣笠祥雄の20年連続(68~87年)、次いで山本浩二の18年連続(69~86年)。なお、今季7本塁打の菊池涼は16年から昨季まで5年連続。

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