【北別府学氏の眼】広島・中村奨にブレークの予感!不思議な力「彼は何かを持っている」

 昨年までの2軍選手が大ブレークの予感!広島・中村奨成選手(21)が捕手に外野に大忙しだ。デイリースポーツウェブ評論家の北別府学氏は「詰まったような打球でも野手の間に落ちてヒットになる、何かを持っている貴重な選手」と理屈を超えた不思議な力に注目している。

 新型コロナウイルスの影響で、投打にわたって多くの選手を欠く厳しい状況になっているが、当初想像していたよりはよく戦えているように思う。

 鈴木誠也のいない打線は当然、迫力不足を感じるが、2軍から引き上げられた若い野手陣は、このチャンスを死に物狂いでモノにしてほしいね。

 3年目の林や2年目の宇草、そして4年目の中村奨成も、しっかり自分をアピールしている。

 チームにとっては不運な時季だが、若手にとっては絶好のチャンス。この際、一気にレギュラーポジションをつかむくらいの気構えで試合に臨んでほしい。

 私に言われるまでもなく、みんなそのつもりで戦っているだろうけどね。それは積極的なスイングから伝わってくる。実際に結果=数字に出てますよ。

 投手の立場から言うと、初球から振ってくる打者は怖い。初球を見る選手の場合、投手はストライク2球ですむわけですから。

 かつて広島に在籍した江藤智はボールを見る傾向があり、よくコーチに「初球から打ちに行け!」と言われていた。ファーストストライクは甘く入る可能性が高い。これを逃さず打つようになって彼は大きく成長した。

 私が特に注目しているのは中村奨成だね。積極的だし、詰まったような打球でも野手の間にポトリと落ちてヒットになる。彼は何かを持っているような気がするね。運とでもいうか。これは貴重ですよ。この世界で成功する大切な要素です。

 九里が完投勝利を挙げた5月19日の巨人戦では、最後までマスクをかぶりベンチの期待にこたえた。

 外野にもトライしている。平凡なフライを落球する凡ミスもあったが、これは成長するための過程でだれもが経験すること。今は失敗が肥やしになる時季なのだから、気にすることはない。

 足も速いね。盗塁もできる。あっという間に二塁へ到達していたのには驚いた。塁間も速い。

 捕手ができて外野もできる。自分が生きる道が増えるのだから、これは歓迎すべきこと。捕手としては、同じ若手の坂倉や石原と高いレベルで競争してほしいね。

 打てて守れて走れる選手は当たり前だが重宝される。まだ成長途上にあるが、今後が楽しみな存在。もっとパンチ力を身につけ、技術を磨くことで本当の力がついてくる。大いに期待したいね。

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