広島・森下 プロ初の連敗「もちろん嫌です」「四球はだめ」笑顔なし
「広島1-2ヤクルト」(20日、マツダスタジアム)
広島・森下暢仁投手(23)が今季初の中5日での奮投実らず、プロ初の連敗を喫した。7回5安打2失点ながら、打線が1点止まりで2敗目。5戦4勝だったヤクルト戦で初黒星となった。投打がかみ合わなかったチームは、逆転負けで勝率5割に逆戻りし、4位に転落した。
先発の役割は全うした。それでも森下の表情には、いつものはにかんだ笑顔はなかった。今季初の中5日で登板。7回5安打2失点の力投を見せたが2敗目を喫した。「点を取られてはいけないところで取られてしまった」と唇をかんだ。
序盤は自慢の直球がさえ渡った。最速は153キロを計測。真っすぐを軸にテンポのいい投球を続けた。打線が四回に1点を先制すると、ピンチでギアを上げた。五回1死から四球と安打で一、三塁とされたが、元山を152キロ直球で三振。続く田口も153キロ直球で見逃し三振に斬った。
ピンチを切り抜け、このまま快投が続くと思われた直後の六回だった。先頭の山崎に左越え三塁打を浴びると、中村に右犠飛を許して同点とされた。
七回1死二塁では珍しく手元が狂った。代打・川端への初球に投じた直球が、捕手の前でワンバウンド。暴投となって三塁に進めてしまった。さらに川端には決勝の右前適時打を許し、流れを再び引き寄せることはできなかった。
昨季は10勝3敗。敗戦した次の登板は全て勝ち星を挙げていたが、前回登板した14日・阪神戦に続いてプロ初の連敗を味わった。「もちろん嫌です」と悔しさを口にした。ヤクルト戦はデビューから通算5試合で4勝0敗、防御率0・75。無類の強さを誇っていたが、“お得意さま”にも6試合目で初黒星となった。
佐々岡監督は「調子自体は悪くなかった。7回2失点は合格点だとは思うが、前回負けている中で悔しさを持っているだろうし、一番悔しいのは本人」とおもんぱかった。
それでも、首脳陣の信頼は揺らぐことはない。エース・大瀬良が抜けた今、カード頭を担う右腕の活躍は必要不可欠だ。
チームは接戦を落とし、勝率5割に逆戻りして4位に転落した。「点を取ってもらった分、何とか粘らないといけないところで、四球はだめ。そこはしっかりと反省して次に生かしていきたい」と巻き返しを誓った背番号18。次こそは勝利をたぐり寄せる。