広島背番号「20」栗林 「0の数何回も数えた」ドラ1仮契約 球団の期待痛感
広島からドラフト1位で指名された栗林良吏投手(24)=トヨタ自動車=が30日、名古屋市内のホテルで入団交渉に臨み、契約金1億円プラス出来高払い5000万円、年俸1600万円で仮契約した。背番号は球団最多213勝の北別府学氏や、同最多165セーブの永川勝浩2軍投手コーチがつけていた「20」に決定。即戦力右腕はその系譜を受け継ぎ、記録にも記憶にも残る選手を目指すと誓った。(金額は推定)
仮契約を終えた栗林は、率直な思いを言葉に変えた。提示された金額は球団の思いを示すもの。「0の数を何回も数えてしまいました」。契約金1億円、出来高払い5000万円、年俸1600万円。最大級の評価。改めてマウンドで勝利に貢献すると誓った瞬間でもあった。
「本当に良い評価をしていただきました。それに応え、1年目から活躍したい」
背番号「20」も期待の表れだ。球団最多の通算213勝を手にした北別府学氏や、同最多となる通算165セーブの永川勝浩2軍投手コーチが昨年まで背負っていた広島にとっては特別な番号だ。
「なかなかもらえる番号じゃない。北別府さんも永川さんもチームの顔で、チームナンバーワンの成績を残して引退されている。僕もチームで一番の成績を残して引退したい」
球団史に刻まれる「20」の歴史。系譜を受け継ぎ、記憶でも記録でも新たな1ページを記してみせるという思いが口を突いた。
即戦力として期待される右腕は、役割をいとわない。トヨタ自動車で過ごした2年。「勝つことが使命だった」。勝利を宿命づけられた社会人ナンバーワンチームでは、先発でも中継ぎでも全力で腕を振った。チームのために-。その思いをカーブでも貫く。
「1軍で活躍できる場所があればつかみ取りたい。先発なら10勝、中継ぎなら最優秀中継ぎのタイトルを取れたら」。1年目から守護神を担った永川コーチは、その年に25セーブ。大役を任されれば「26セーブを目指して頑張る」と力を込めた。
都市対抗野球のセガサミー戦では、7回13奪三振2失点ながら敗れた。現在は悔しさを新たな力に変える。体幹を鍛え、バランス強化に励む毎日。朝8時から汗を流し、ストレッチなどを終えると夕方4時を過ぎている時もある。
「ドラフト1位の時点で重圧100%。そこに森下の活躍と背番号20のプレッシャーが重なった。その重圧に勝ってこそプロ。頑張る原動力になる」。偉大な背番号と共に歩む野球人生が始まる。