広島・堂林 8年ぶり100安打到達 初3割へラストスパート

 「阪神5-9広島」(22日、甲子園球場)

 広島・堂林翔太内野手(29)がプロ3年目の2012年以来、8年ぶりとなるシーズン100安打に到達した。初回に適時二塁打を放って達成した。今季の規定打席にも到達している背番号7は、プロ入り初の打率3割でのシーズン終了も視界に捉えている。チームは14安打9得点で、甲子園での今季最終戦を勝利で飾った。

 たどってきた今季の足跡のように、泥臭くしぶとい打球が右翼線フェアゾーンにポトリと落ちた。打球がファウルゾーンに転がる間に、堂林は悠々と二塁に到達。手を叩きながら軽く右手を挙げて表情を緩めた。試合前の時点で今季の安打数は99。8年ぶりとなるシーズン100本目のHランプを、第1打席でいきなりともした。

 5試合ぶりに先発出場し、迎えた初回。1点を先制してなおも2死一、二塁の好機で打席が巡ってきた。「いい詰まりで、いいところに落ちてくれた」と岩田の初球スライダーに詰まったが、飛んだ場所が幸いした。右方向にスライスしていく打球は、あとわずかでファウル。会心の一打ではなかったが、適時二塁打となった。

 四回無死一塁の打席では左翼へ大飛球を放った。左翼・サンズがフェンス際で捕れず、2安打目かと思われたが…。一走・会沢が打球判断ミスで一塁へ戻ったことで、記録はレフトゴロに。このミスがなければマルチ安打だったが…。

 シーズンの安打数を3桁に乗せたのは12年以来。「100安打を打つのは久々なので、こうやって使ってくれる監督、コーチに感謝したい」。決して自身を誇ることなく謙虚に振り返った。九回は無死二、三塁で岩貞の直球に手が出ず、見逃し三振。「悔いが残る結果になった。またあした、いい入りができるようにしたい」と次戦へ視線を向けた。

 開幕スタメンを勝ち取り、シーズン序盤はリーグ首位打者に立つほどの活躍。7月下旬まで打率4割をキープしたが、8月中旬には17打席連続無安打で暗いトンネルに入った時期もあった。それでも、目の前の試合に全力を尽くしてきた。

 その成果もあって打点はすでに自己最多を更新しており、本塁打もキャリアハイの14本にあと1本。現在の打率は・289。残り15試合の結果次第では、プロ入り初の打率3割でのシーズンフィニッシュも射程内だ。

 試合が終わると、ナインは左翼スタンドへ足を運んで敵地の鯉党にあいさつ。背番号7も雨が降る中、ユニホームをぬらしながら頭を下げた。優勝の可能性が消滅した一方、活力を与えてくれるファンがいる。その思いに応えるべく、堂林が今季の集大成を飾る。

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