広島・田中広、V3ラン 今季一発出れば3戦全勝 0-3からの逆転劇で最下位脱出!

 「ヤクルト3-6広島」(4日、神宮球場)

 広島が2発で逆転勝ち。最下位から脱出した。3点を追う七回、まずは長野久義外野手(35)の今季1号3ランで同点とすると、勝負を決めたのは選手会長の一振りだ。3-3の八回1死一、二塁から田中広輔内野手(31)が中越えに勝ち越しの決勝3ラン。これで田中広が一発を放った試合は3戦3勝。火曜日は今季初勝利となった。

 スタンドインを確信した。田中広は感触をかみ締めるように右拳を小刻みに動かしながらガッツポーズ。打球が懸命にジャンプしたヤクルトの中堅・山崎のグラブではなく、バックスクリーンに入ったことが分かると、真っ赤に染まった三塁側の鯉党は総立ちして大きな拍手を送った。

 6月28日の中日戦以来となる今季3号は、値千金の勝ち越し決勝3ランとなった。「入ると思わなかった。入って良かった」。笑顔を浮かべてダイヤモンドを一周した。

 3-3の同点で迎えた八回。先頭の松山と坂倉が連打で一、二塁の好機を演出すると、1死から3番手・清水と対峙(たいじ)した。カウント3-1からの5球目。147キロの低め直球を華麗にすくい上げた。「カウント有利だったので、直球に狙いを絞った。思いっきりいきました」。佐々岡監督も「一番ホームランがほしいところで最高の結果を残してくれた」と最敬礼だ。

 チームは4カード連続で3連戦初戦を落とし、火曜日は4戦4敗と絶不調だったが、頼れる選手会長の一振りでその呪縛から解き放った。また今季、田中広が本塁打を放った3試合は全て勝利を収めており、不敗神話となりつつある。

 打撃不振にあえいでいた。今季は主に8番に座っている。3日までの打率は・231と低迷。スタメンを外されることもあった。「うまくいかないことがあると思ったが、ここまでうまくいかないとは思わなかった。シーズンは甘くないと改めて感じた」。しかし、下を向くことなく、26日のDeNA戦では試合前に円陣を組んで声をかけるなど苦境にあえぐチームを励まし続けた。「今年は我慢強くやるということを言い聞かせてやっている」。不調の中でも地道にコツコツとやってきた成果が最高の結果となって表れた。

 神宮で今季初勝利を収め、最下位から脱出。9連戦初戦に勝利し、5位に浮上した。「いい流れで入れた。勢いに乗って一戦一戦、戦っていきたい。辛抱強くチームで戦っていきたい」と前を向く選手会長が、リーダーシップを発揮しながらチームを支えていく。

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