広島・森下 マツダデビューであぁ涙雨…5回122球2失点で初黒星 粘り見せた

 「広島1-5DeNA」(9日、マツダスタジアム)

 悔しい本拠地初登板になった。広島のドラフト1位・森下暢仁投手(22)=明大=が5回8安打2失点。雨が降る悪条件で持ち前の制球が乱れた。それでも二回以降は粘ったが、無念のプロ初黒星を喫した。報われなかった122球の力投。涙雨が身を包んだ。

 指先を修正できなかった。森下にとってプロでは初めて上がる雨のマウンド。雨脚が突然強くなる悪条件もあった。四回までは毎回、先頭打者の出塁を許して球数がかさんだ。5回122球の8安打2失点と粘りながら、今季初黒星を喫した。

 「出してはいけない所で走者を出してしまった。アウトを取らないといけない所で取れなかった。投げ切らないといけない所で高めに浮いてしまった」

 初回の2失点は、1番・梶谷への四球がきっかけだ。2球で追い込んだがフルカウントとして最後に根負けした。2死一、二塁からロペスの右前適時打で先制点を与え、宮崎の三塁への適時内野安打で加点を許した。

 四回が始まった直後に雨が強くなり、無死一塁で梶谷を迎えた場面ではどしゃ降りになった。帽子からは雨が滴るほどの強さだった。高校、大学時代も雨の中で登板経験は「ない」。何度も滑り止めのロジンを触った。

 直球は150キロ台を計測。それでも本来の制球力は影を潜め、ストライクゾーンに集まらなかった。佐々岡監督は「球数が多くなってしまった。真っすぐも変化球も高かった」と話した。

 初物づくしだった。公式戦初のマツダスタジアム登板で、ナイターも初めて。疲労考慮に加え、登板予定だった7日のDeNA戦が雨天中止となったことを受け、前回登板から中10日と空いたことも経験がなかった。

 さまざまな要素が重なり合って臨んだ一戦。球数が100球を超えていても五回のマウンドを任された。2死から伊藤光に四球。それでも最後は井納を一ゴロに仕留め、五回を投げ切った。佐々岡監督は「5回を粘って投げ切った。悪いなりにも最低限のことをしてくれた」と次回へ期待する。

 森下は「これを反省して次の投球に生かしたい。しっかりと勝てるように」と前を見据えた。白星が成長につながる一方で、黒星もまた自身が大きな投手になるための糧になる。悔しさを新しい力に変える。

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