野村、残留表明「カープが好き」 FA行使せず、貫いたチーム愛

 広島・野村祐輔投手(30)が26日、今季取得した国内FA権を行使せず広島に残留すると表明した。シーズン終了後から慰留を続けてきた球団の熱意が届いた。2年契約で総額3億円となる見込み。16年に最多勝、最高勝率のタイトルに輝いた右腕も、ここ2年は規定投球回に到達できず。佐々岡新監督の下、自身の復活とリーグ優勝、悲願の日本一を誓った。(金額は推定)

 ユニホーム姿の野村は晴れやかな顔つきで会見場に姿を見せた。後輩の大瀬良、床田が見守る中、「私、野村祐輔はFA権を行使せず、カープに残留することを決めました」と表明。「カープが好きなので。佐々岡新監督の下、リーグ優勝、日本一を目指して頑張っていきます」とカープ愛を貫いた。

 約1カ月間、熟考を重ねた。レギュラーシーズン終了後、球団との交渉は計3度。悩み抜いた末に、「昨日の晩、最後は自分で決めました」と明かした。

 残留を願うファンの手紙、鈴木球団本部長の熱意と誠意、そしてチームメートの言葉がうれしかった。床田からは「どうするんですか、残留でしょ」とせかされ、「今までありがとう」「これからもよろしく」と冗談を交えて返した。大瀬良から届いた長文LINEには「うれしい。ありがとう」とマジメに返信した。「一緒にやってきたチームメートからそういう言葉をかけてもらったので…」。仲間の前で、感謝の気持ちがあふれ出た。

 31歳を迎える来季はリーダーとして期待がかかる。就任直前に残留ラブコールを送った佐々岡監督は「祐輔本人から聞いたので良かったですし、また来年一緒に戦える。投手陣を引っ張ってほしいと言いました」と期待。松田オーナーも「ありがたい。先発のリーダーになる。そういう姿を見せてほしい」と顔をほころばせた。

 カープとは赤い糸で結ばれている。8年前のドラフト会議直前。「最後はカープで終われたらいいな」と漠然と感じた。ドラフト1位で指名された瞬間、喜びと共に驚きの感情も入り交じっていた。高校時代も広島の広陵で活躍。夏の甲子園で準優勝に導いた。地元・岡山の隣の広島には特別な縁がある。

 「3連覇したシーズンもありますし、今年のように勝てなかったシーズンも経験して、やっぱり優勝を味わいたいと思いました」

 今季は18試合で6勝に終わり、巻き返しの思いは強い。佐々岡新体制の下、もう一度、輝きを取り戻す。

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