長野 CSで阿部さん待っていて 引退する巨人時代の大先輩に最後の恩返しを

 広島・長野久義外野手(34)が25日、マツダスタジアムで行われた全体練習に参加し、巨人・阿部慎之助捕手(40)の現役引退を惜しんだ。プロ1年目の2010年から9年間一緒にプレー。27日・中日戦に勝ってCS進出を決め、ファイナルSでの“再会”を誓った。

 練習を終えて、汗びっしょりの長野が神妙な表情で口を開いた。大先輩へ、感謝の思いは尽きない。巨人時代からお世話になっている阿部の現役引退を惜しみつつ、素直な心境を言葉にした。

 長野「9年間一緒にプレーさせてもらって勉強になることばかりでした。自主トレも一緒に連れて行ってもらって…。野球だけじゃなくいろんなことを教えてもらいました。さみしいです」

 数日前、電話で引退の報告を受け、「『頑張れよ』と言われました」と苦笑い。さみしさが募ると同時に、最後の激励にベテランの心は奮い立たされた。

 ずっと阿部の背中を追ってきた。プロ1年目オフ、当時キャプテンの阿部からグアム自主トレに誘われ、薫陶を受けた。2012年からは坂本勇、村田らと共に、リーグ3連覇を達成。日本一に輝くなど阿部との思い出は数え切れない。中でも記憶に残るのはケガを隠しながらも、毎試合グラウンドに立ち続ける背番号10の姿だ。

 長野「キャッチャーという一番大事なポジションで、毎日試合に出る準備を教えてもらいました。ケガをしていても、痛いと言えない。阿部さんがいたから。(坂本)勇人にしてもそういうのはあったと思います」

 すでに今季の巨人戦は終了したが、ポストシーズンでの再戦の可能性は残されている。レギュラーシーズン最終戦となる27日・中日戦(マツダ)に勝利すれば、自力で4年連続のCS進出が決定。さらにDeNAとのファーストSを勝ち抜けば、ファイナルSで巨人と東京ドームで激突する。

 長野「CSに出られるように。そういうチャンスはあると思うので。しっかり27日の試合をみんなで勝つことだけを思ってます」

 秋晴れのマツダスタジアムでは快音を響き渡らせた。9月は全17試合に先発出場し、打率・333、3本塁打、12打点と絶好調。左翼守備でも軽快な動きを披露した。大一番を前に、コンディションは良好だ。27日を白星で締めくくり、最後の恩返しを果たす。

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