松長通訳が明かすエルドレッド秘話…日本に自ら歩み寄っていた

 カープナインと共に記念写真に納まるエルドレッド氏(中央)=撮影・飯室逸平
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 広島・松長洋文通訳(41)がエルドレッドとの秘話を明かした。12年6月から7年間、間近に接し、「いろいろ教えられました。彼の方から歩み寄って信頼関係を築いてくれました」と感謝を口にする。最も印象に残っているのが昨夏。「19年も現役を続行するか、引退するか、自問自答していた姿」と言う。

 「常に悩んでいる時期がありました。暑い由宇で汗を流しながら葛藤と戦っていた。でも『まだホームランを打てる自信がある』と伝えられて、一緒に頑張っていこうという話をしました。晩年のカントリーにつけたことは幸せに感じます」

 グラウンドを離れてもナイスガイだった。帰国前、エルドレッドが突然、松長氏の自宅を愛車で訪れた。松長氏の愛娘2人へ、使い終えた子供用のベッドを贈るためだった。

 「山奥の郊外に住む僕のところまで来てくれました。冗談だと思っていたら『今向かっている』と電話がかかってきて。家にベッドを運んで、手際よく組み立ててくれました」

 エルドレッドは『庭を借りていいか』とバーベキューを始めた。大好物のステーキを焼くと、驚いた近所の人も一目見たいと、野菜を持ってきてくれた。

 「家族団らんで過ごしたのがすごくいい思い出です。そういう人柄が愛されるのだと思います。チームのムードメーカーであり、人柄によって、人をつなげる力がありました」

 現役時代はナインと日本語で会話し、タクシー迎車、ピザ注文も積極的にトライした。今後は米国駐在スカウトと通訳という立場となる。「一緒に働けると聞いて本当にうれしい。カープの10年後、20年後を支えてくれるようなスカウトになってほしいです」。松長氏は晴れやかな顔でエールを送った。

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