誠也 いきなり復活弾「順調にきてる」 岡田からガツン!

 「広島春季キャンプ」(12日、日南)

 右くるぶし骨折からの復帰を目指す広島・鈴木誠也外野手(23)が12日、ランチ特打で昨年8月の故障後初めて現役投手と相対し、いきなり“アーチ”を放った。これまでは打撃投手を相手にしたフリー打撃は行っていたが、生きた球は半年ぶり。実戦復帰へ向け、16日からの沖縄2次キャンプでは温暖な気候を味方に段階を上げていく。

 晴天の下、力を込めてバットを振り抜いた。鈴木が昨年8月以来、故障後初めて生きた球と向かい合った。復活への確かな足取りを示すような、鮮やかな一発をたたき出した。

 「こんなに早く投手の球の前に立てるとは思わなかった。ケガの状態も順調にきているのかなと思うし、それがよかった」

 相手は大瀬良、九里、岡田の主力投手陣。13スイング目となった岡田の直球をガッチリ捉え、打球は左翼スタンドに着弾。直後には打席で白い歯もこぼれた。計15スイングで安打性の当たりは3本だったが、“本塁打”の相手は昨季12勝を挙げた最速155キロ右腕。そこに大きな価値も持つ。

 「半年ぶりぐらいの投手の球なので、全然しっくりはきてないけど、段階として上がってるのは自分でも実感できる」

 2日のフリー打撃では打撃投手から140メートル弾やバックスクリーン直撃弾を放っており、復帰への順調ぶりは際立つ。宮崎は寒風も残り、この日の最高気温も9度と好状態で動ける気候ではなかった。それでも「寒い中でもこういう動きができているのはプラス」とうなずき、緒方監督も「順調に来てるね」と言った。

 冷静に自分の足元を見つめている。「今までは違和感が痛さだったり、動けない状態だったけど、それは今ない」と進歩を実感する一方で、「本気でも走っていないし、40%とかのレベル」と自身の現状を分析。既に行っている走塁や守備練習も徐々に強度を上げ、回復への筋道を立てていく。

 16日からの沖縄2次キャンプでは気候も温暖になることで、実戦復帰へ向けたトレーニングも可能となってくる。「宮崎でできることをしっかりやって、沖縄では痛かったことをスムーズにできたらいい。もう少し実戦の動きも増えてくると思うし、その段階としては今日、投手の球の前に立てたのは大きかった」。見据えるのは開幕戦出場。若き主砲が着実に前へと歩を進めている。

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