松山が呼んだ10連勝 G3タテ粉砕!奇跡じゃ!!九回逆転!一挙7点

 「巨人5-11広島」(12日、東京ドーム)

 広島・松山竜平外野手(31)が1点を追う九回に起死回生の同点本塁打を放った。これまで無安打と苦しんでいたが、劇的な一発でチームに再び流れを呼び込んだ。この回一挙7得点の逆転勝ちで、巨人との首位攻防戦を3連勝。引き分けを挟んで10連勝となった。そして両リーグ10勝一番乗りじゃ!

 チームを救い、自分の心も救った。「正直、少し苦しかったので本当によかった」。11打席目でようやく手にした今季初安打は起死回生の同点ソロ。一塁ベースを蹴り、右拳を突き上げる松山に左翼スタンドから割れんばかりの大歓声が注がれた。

 「ベンチ裏でカミネロのイメージはつくっていました。初球から覇気を出して思い切り振り抜いた」

 4-5の九回。先頭で代打が告げられた。初対戦となる新外国人のカミネロと対峙(たいじ)。初球、甘く入った真ん中低めの直球を逃さなかった。完璧に捉えた打球は一直線で右翼席へ。今季1号は試合を振り出しに戻す一発となった。

 試合前、打撃練習の順番表の44番の横には「コンパクト」と書かれていた。練習では最高の形を体に覚え込ませるため、何本も右翼スタンドに運んだ。託された勝負の打席でもその言葉を思い返すことができた。「頭にありました。コンパクトにしっかり強いスイングができた」と、きっちりと結果を出して起用に応えた。

 12日の同戦では、新井が2打席連続アーチを放つなど、これぞ主砲という姿を見せつけられた。「新井さんは普段の顔と打席では違う。鬼気迫る感じがある。松山が打席に入っているから大丈夫と思ってもらえるようにしたい」。一緒に戦う中で感じ取った先輩のすごさ。だが、それは越えていかなければならない壁でもある。

 5日の中日戦、12日の巨人戦では代打の代打が送られ、打席に立てなかった。緒方監督は「悔しさがずっとあったと思う。昨日も代打で代えられて。きょうの殊勲者は松山。持ち味を出して、彼自身やっと開幕した。チームの10連勝に大きく貢献してくれた」と称賛した。

 巨人との3連勝をすべて勝ち、首位の座を守り抜いた。「ひっくり返す力がある。負ける気がしない」と松山。チームは引き分けを挟んで10連勝。リーグ最速で10勝に到達した勢いそのままに、連勝街道を突き進む。

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