福井にシビれた!不屈G倒 打球直撃なんの志願続投で直後に自ら二塁打

 「巨人3-7広島」(24日、東京ドーム)

 広島の福井優也投手(28)が気合の投球で4勝目をマークした。五回に菅野の打球を右膝に受け、うずくまるアクシデント。一度はベンチに下がったが、続投して6回を5安打2失点に抑えた。2位・巨人との大事な一戦で背番号11が執念を見せ、マジック「20」を点灯させた。

 勝利への執念が粘りの投球を生んだ。6回5安打2失点。福井が右手で帽子を高々と掲げ、鯉党の歓声に応えた。「昨日、ジョンソンが負けたんでプレッシャーはありましたけど、試合をつくることだけを考えて投げることができた」と安どの表情を浮かべた。

 四回、阿部に右翼席へ特大の先制2ランを被弾。「菅野がすごい良かったので、ホームランを打たれた時に負けたと思った」と悪いイメージが頭をよぎったが、「これ以上点を入れられないように気合を入れました」と味方の援護を信じ、追加点を許さなかった。

 しかし五回にアクシデントが襲った。2死から菅野の打球がワンバウンドで右膝を強襲。マウンド上でうずくまった。自力で歩けず畝投手コーチらに肩を担がれながらベンチへ。「当たった瞬間は立てないと思った。でも、ベンチに下がってからは全然大丈夫でした」。数分の治療後、自ら志願し続投。先発としての覚悟を示した。

 打撃でもチームを奮起させた。1点を追う六回、右膝を負傷した直後にもかかわらず、先頭で菅野の外角低め148キロ直球に食らいついた。「打たれて、(打球を)当てられたから、何とかして塁に出てやろうと思った」。右中間を破る二塁打で、逆転勝利への口火を切った。

 前半戦は不調から1勝止まり。2軍で自らの投球を見直した。再昇格直前の7月22日のウエスタン・オリックス戦(由宇)から、黒田の投球を参考にしてプレートの踏む位置を三塁側から一塁側に変更。「(左打者の)内角へのツーシームを生かすように、近づいて投げるようにした」と新たな試みに手応えを感じている。

 「今まで通り、しっかりゲームをつくって勝ちに貢献したいと思います」。4勝目をつかんだ投手キャプテンが25年ぶりの悲願に向け、前に進む。

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