野村2勝!初回の危機1失点でしのぐ

 「広島3-1中日」(12日、呉市二河野球場)

 明るさが残る呉の空に、広島・野村の雄たけびが響いた。いきなり訪れた絶体絶命のピンチを、最少失点で切り抜ける。少しの開き直りが生んだ粘投。その後はスコアボードに「0」を6個並べ、今季2勝目をゲットした。

 「ここからがプレーボールだと思って投げました」

 初回、無死満塁と追い込まれ、ビシエドに先制の右前適時打を浴びた。大量失点を覚悟する場面。それでも平常心は失わなかった。ナニータを空振り三振。最後は藤井を直球で三ゴロ併殺打だ。「よく粘った」と緒方監督。ピンチをしのぎ、その裏の逆転劇を呼び込んだ。

 「体を整えることが目的なんです」。2年連続で不本意な成績に終わり、不退転の決意で臨んでいる今季。最も力を入れたのがコンディショニングだ。春季キャンプから自ら購入した電気治療器具で疲労回復に努めてきた。「1日40分くらい。疲れの取れ方が違いますね」。日々の積み重ねで状態は良好。あとは自信を持って、自分の球を投げきるだけだ。

 7回5安打1失点に「先発の仕事はできたと思う」と、胸をなで下ろした。バットでも2打数2安打。チームは3連勝で首位タイに浮上。野村の粘りが上昇気流をもたらした。

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