鯉675日ぶり首位!エルドV打&2号
「広島3-1中日」(12日、呉市二河野球場)
広島が今季初の3連勝で巨人、阪神に並んで首位に浮上した。逆転勝利を導いたのはブラッド・エルドレッド外野手(35)。初回に決勝の左前適時打を放つと、六回にはダメ押しの2号ソロを放った。首位に立つのは緒方孝市監督(47)の就任以降、初めてで、2014年6月7日以来、実に675日ぶり。この勢いに乗って、連勝街道を突っ走る。
高々と、少し上がり過ぎた打球は、97・5メートル先のフェンスをわずかに越えた。昨季、苦手にした地方球場で、勝利を手繰り寄せる今季2号。歓喜の試合後、殊勲の助っ人は「ギリギリね」とほほ笑んだ。2安打2打点。首位浮上、3連勝の立役者はエルドレッドだ。
「初球からいこうと思っていた。打球が上がり過ぎたけど、バットの芯に当てることができたよ」
1点リードで迎えた六回。先頭で打席に立つと初球、高めに浮いた130キロ直球を狙った。打球は放物線を描きながら、左翼スタンド最前列に到達。2日の巨人戦(マツダ)以来、7試合ぶりの一発は二回以降、続いた投手戦にケリを付けた。緒方監督も「カントリー(エルドレッドの愛称)の一発が非常に大きかった」と絶賛した。
チームの分析力も生きた。試合前のミーティングでは、難敵若松の攻略法を入念に確認。追い込まれてチェンジアップを使われる前に、初球ストライクからの積極打法を徹底した。指示通りに田中が初回、初球を狙って左前打で出塁。1死一、二塁からルナの中前適時打で同点に追い付くと、エルドレッドだ。
なおも1死一、三塁。1ボールからの2球目、高めの直球を左前にはじき返した。三塁から丸が生還して勝ち越しに成功。この一打で開幕2戦目の3月26日、DeNA戦(マツダ)からの連続試合安打は14に。打率・389で川端(ヤクルト)らを抜き、再び首位打者に躍り出た。
昨季開幕前に手術した右膝など、体は万全の状態からは遠い。それでも出場を続け、勝利につなぐ安打を量産する。一塁までの全力疾走や、二塁へのヘッドスライディング。隙あらば盗塁も決める。好調はフォア・ザ・チームの結果。「昨年は焦りもあった。勝利に貢献できているのはうれしいよ」と笑った。
助っ人のバットで3連勝。貯金3で巨人、阪神と並び緒方政権初、2年ぶりの首位に浮上した。「順位は関係ない。ただ、対戦が2巡目に入って攻撃、投手リレーの形ができつつある」と指揮官。チーム打率は12球団トップの・281。好調5番が躍進を支える。





