キクマルコンビ躍動!決勝点お膳立て
「広島6-3DeNA」(27日、マツダスタジアム)
必死に滑り込みながら、左手で勝ち越しホームに触れた。激しく両手を叩き、広島ベンチに帰還した菊池。出迎えるナインと、強くハイタッチを交わした。菊池と丸、“キクマル”で奪った決勝点。突破口を開いた33番は「理想の形」とホッと一息ついた。
六回に同点に追いつき、七回、菊池は勢いままに打席に立った。先頭打者として須田の初球、高めに浮いたカーブを狙った。右前打で出塁。続く丸の右前打で迷わず二塁を回って三塁を陥れた。無死一、三塁。ルナの三ゴロで生還して勝ち越した。
「あれが監督の理想の形になってくると思う。1、2、3番でチャンスを作って、4、5、6で得点に。すごくいい流れだった」と菊池。五回の打席では、2死一、二塁の好機で凡退。開幕から「苦しい打席が続いていた」と振り返る。「振らなきゃ当たらない。開き直って、楽にいこう」と強く振った。八回にも右前打でマルチ安打。苦しんだ先に結果が残った。
3年連続でゴールデングラブ賞を獲得。打撃のリズムは守備で作った。七回。柴田のボテボテの打球を、倒れ込みながらの送球でアウトにした。さらに1死一塁から、二遊間の打球を遊撃手・田中が好捕。トスを素手で受けると、体を反転させて一塁へ転送。“ノールック送球”で、華麗に併殺を完成させた。
「広輔が一生懸命捕った打球。苦しいところだったけど投げなきゃアウトにならない。体が反応してくれた」
2戦連続の逆転勝利。一喜一憂を共有するベンチのムードに「昨年とは雰囲気も違う」と、確かな手応えを感じる。29日からは昨季1勝10敗、鬼門ナゴヤドームでの中日戦。「いい流れでしっかりと、最初からいけるように」と菊池。一丸で狙う開幕ダッシュへ、キクマルがグラウンドを縦横無尽に駆ける。